【原油約80%急騰】あなたの家計を直撃する値上がり予想商品10選!
2026年2月28日、米国とイスラエルがイランへの大規模軍事攻撃に踏み切りました。
ホルムズ海峡は事実上の封鎖状態となり、WTI原油先物価格は攻撃前の1バレル67ドルから一時119〜120ドル近くまで急騰(攻撃前比で約80%の上昇)。
その後、IEA加盟国による過去最大規模の備蓄協調放出などを受けて80ドル台後半に落ち着いているものの、高止まりが続いています(2026年3月16日現在)。
石油ショック時に何が起きるか、歴史はすでに答えを出しています。
1973年の第1次オイルショックでは消費者物価が翌1974年に前年比で約20〜23%上昇し、スーパーの棚からトイレットペーパーが消えました。
今回の情勢が長期化した場合、私たちの家計にどんな影響が出るのか。過去の歴史と最新の専門家試算をもとに、値上がりが予想される商品10選を解説します。
2026年3月16日時点の最新動向
・3月9日:原油価格が一時1バレル100ドルを突破(第一生命経済研究所)
・3月11日:IEA加盟国が過去最大規模となる4億バレルの石油備蓄の協調放出を決定
・3月11日:トランプ大統領が「戦闘終結が近い」と発言し、価格は80ドル台前半まで一時低下。その後80ドル台後半で高止まり
・3月15日:米軍がイランの石油輸出拠点カーグ島を攻撃。北海ブレントが週明けに117ドル超になる可能性を指摘(Bloomberg)
過去の石油ショックで何が起きたか
まず、過去の石油ショックで日本の物価がどう動いたかを振り返ります。今回の事態を理解するうえでの重要な参考データです。
【過去の石油ショックと物価上昇の記録】
| ショック | 原因 | 原油価格の変化 | 日本の消費者物価上昇率 |
|---|---|---|---|
| 第1次(1973年) | 第4次中東戦争 | 3か月で約4倍に高騰 | 1973年:+15.6% 1974年:約+20〜23%(「狂乱物価」)※1 |
| 第2次(1979年) | イラン革命・イラン・イラク戦争 | 約3年で約2.7倍に高騰 | 1980年:約+7〜8%(第1次の3分の1以下) 省エネ対策等が奏功し社会的混乱は軽微 |
| 2026年イラン情勢 | 米・イスラエルによるイラン攻撃 | 67ドル→一時119〜120ドル近く(約80%上昇) →現在は80ドル台後半で高止まり | 現在進行中。原油が80ドル水準なら消費者物価を+0.22%、130ドル水準なら+0.63%押し上げると試算(第一生命経済研究所、1年目)※2 |
※1 暦年ベースで+20.9%(総務省CPI)、年度ベースで+23%前後と、算出基準によって数値が異なります。
※2 試算の前提は「60ドル→80ドル上昇シナリオ」「同→130ドルシナリオ」それぞれの1年目の推計値です。
1973年のトイレットペーパー騒動の教訓
1973年10月、政府が「紙の節約」を呼びかけると「紙がなくなる」というデマが全国に拡散。
大阪・千里ニュータウンのスーパーで起きた特売品への行列が引き金となり、わずか1時間で1,400パックのトイレットペーパーが売り切れる事態になりました。
騒動が拡大するにつれ、トイレットペーパーの市場価格は1.5〜2倍に跳ね上がり、3〜4倍の値段をつけても売り切れる店が続出。
消費者物価指数でみると、1974年のトイレットペーパーの指数は1973年比で約2.25倍(指数60.7→136.8)に急騰しました。
洗剤・砂糖・塩・しょう油まで店頭から消え、翌1974年1月には政府が「標準価格」を定める法律を制定せざるを得ないほどの混乱に陥りました。
実際にはトイレットペーパーの生産量は減少しておらず、翌年の国民生活白書にも「生産実績は減少していない」と明記されています。
にもかかわらず起きたパニックは、不安心理と情報の拡散がいかに物価を動かすかを示す歴史的事例として今も語り継がれています。
なぜ今回は特に注意が必要か
今回の情勢が過去の石油ショックと異なる、特に注意すべき点が4つあります。
- 日本の中東依存度が極めて高い:日本の原油輸入の約94%を中東地域に依存しており(2025年貿易統計)、そのタンカーの約8割がホルムズ海峡を通過します。1973年当時と依存度は変わっておらず、脆弱性は解消されていません。
- 円安圧力が重なる:原油高が続けば貿易赤字が拡大し、円安がさらに輸入物価を押し上げる「二重苦」となる可能性があります。原油価格10%の上昇で年間2兆円強の円安圧力が生じるとの試算があります
- すでに続く物価高の上に追い打ち:2023年以降の物価高で家計の余力が縮小しているところへ、さらなる値上げが重なります。
- 備蓄放出にも限界がある:IEAが過去最大規模の4億バレルを放出しても、これはホルムズ海峡の通過分の約20日分に過ぎません。封鎖が長期化すると備蓄だけでは対応できなくなります。
この記事の読み方について
本記事に記載の価格上昇予測は、野村総合研究所・第一生命経済研究所など専門機関の試算にもとづく「可能性の提示」であり、実際の値上げを確定的に予告するものではありません。
情勢は刻々と変化しており、早期収束の場合は影響が限定的にとどまる可能性もあります。
過去の第2次オイルショックは社会的混乱が軽微で済んだ前例もあり、状況を冷静に見ることが重要です。
値上がりが予想される商品10選
原油価格上昇が家計に波及するルートは、大きく3段階に分かれます。
- 第1段階(数週間以内):ガソリン・灯油など石油を直接使う製品
- 第2段階(3〜4か月後):電気・ガス料金など、製造・輸送コストに連動するもの
- 第3段階(半年〜1年後):食料品・日用品など、間接的に影響を受けるもの
以下では、影響が大きいと考えられる順に10品目を解説します。すべての数値は野村総合研究所の一次ソースに基づいています。
1 ガソリン・軽油 影響:大 速度:早(1〜2週間)
原油価格の影響を最も直接的・迅速に受けるのがガソリンです。
中東から日本まで原油タンカーで約3週間かかりますが、石油元売り業者は国際価格を約1週間で販売価格に反映します。為替が円安に動けば、値上がり幅はさらに拡大します。
■ 過去の価格推移と今回の試算
- 1973年(第1次ショック前):約70〜80円/L
- 1974年(ショック後ピーク):約120〜130円/L(約1.5〜1.7倍)
- 2008年(原油リーマン前最高値):約180円/L突破
- 2026年3月現在:約160〜175円/L前後(補助金の状況による)
- 原油が現状比約30%上昇(90ドル前後)した場合:約204円/L(野村総合研究所試算)
補助金の縮小・廃止が重なれば、さらに高い水準になる可能性もあります。
2 電気代・ガス代 影響:大 速度:中(3〜4か月後)
電気・ガス料金は、原油価格の上昇が家庭の請求書に反映されるまで3〜4か月のタイムラグがあります。
■ 試算(原油が現状比30%上昇した場合)
- 電気代:6%程度上昇。月額793円・年間9,518円の増加(野村総合研究所試算)
- ガス代:原油上昇率の約2〜3割程度上昇
2026年3月時点の世帯平均電気代は月額1万3,219円(総務省家計調査2025年)。すでに値上がりが続いている状況へのさらなる追い打ちとなります。
また、天然ガス価格の指標「JKM(日本・韓国向けLNGスポット価格)」はすでに2月末から3月初旬にかけて100万BTU当たり10ドル→15ドルへと50%急騰しており、将来の電気代にも影響が見込まれます。
3 紙製品(トイレットペーパー・ティッシュ)影響:大 速度:中(1〜3か月)
1973年の石油ショックで歴史的パニックを引き起こした「トイレットペーパー」は、今回も警戒が必要な品目です。
製紙工場では、パルプを乾燥させる工程で大量の重油・電力を使用します。原油高→電力コスト上昇→製造コスト増→価格転嫁という連鎖が起きます。
■ 過去のデータと今回の試算
- 1973〜74年:消費者物価指数が指数60.7→136.8へ急騰(約2.25倍)。店頭では3〜4倍の価格でも売り切れ続出
- 2026年(原油30%上昇シナリオ):約1.5%の上昇が予測(野村総合研究所試算)
今回は1973年と異なり生産体制が国内に整っているため、供給不足自体は起きにくいとされています。
ただし、価格上昇とパニック買いが重なると、店頭在庫が一時的に消える事態は十分あり得ます。
【1973年の教訓:「パニックが供給不足より先に棚を空にする」】
1973年のトイレットペーパー騒動では、実際には生産量が減少していなかったにもかかわらず、デマと報道が連鎖して全国的な品切れが発生しました。
SNSが普及した現代は情報拡散のスピードがはるかに速く、同様のパニックが起きるリスクはむしろ高まっています。1〜2か月分の備蓄は有意義ですが、過剰な買い占めは状況を悪化させるだけです。
4 食品用ラップ・プラスチック容器 影響:大 速度:中〜遅(3〜6か月)
ポリエチレン・ポリプロピレンなどのプラスチック原料は石油を直接原材料としています。原油価格の上昇が製造コストに直結するため、食品ラップ・プラ容器・ポリ袋などは値上がりしやすい品目です。
■ 影響試算
- 食品用ラップ:原油30%上昇時に約3.6%の値上げが予測(野村総合研究所試算)
- ポリ袋・包装材:石油化学品の価格に連動して上昇
スーパーのレジ袋や食品包装コストが上がれば、食料品の売価にも波及します。
5 洗剤・シャンプー・日用化学品 影響:大 速度:中〜遅(3〜6か月)
界面活性剤など洗剤・シャンプーの主成分は、石油を原料とする合成化学品が大部分を占めます。原油高の影響を受ける品目の中でも、価格転嫁の幅が最も大きい品目の一つです。
■ 影響試算(原油30%上昇時)
- 洗剤:約9.6%の値上げが予測
- シャンプー・リンス:約6.8%の値上げが予測(いずれも野村総合研究所試算)
1973年の第1次オイルショック時にも、洗剤はトイレットペーパーと並んで店頭から消えた代表的な品目でした。
6 衣類(合成繊維)・化学繊維製品 影響:中 速度:遅(6か月〜1年)
ポリエステル・ナイロン・アクリルなどの合成繊維は、石油から作られる石油化学製品が原料です。
■ 主な対象品目
- ファストファッションのポリエステル素材商品
- スポーツウェア・インナー・靴下など化繊素材全般
- カーペット・カーテンなどインテリア繊維製品
原油高騰が続くと製造コストが上昇し、半年〜1年をかけて価格に転嫁されていきます。衣料品は比較的「後から来る値上げ」として、家計に長く影響します。
7 食料品全般(野菜・肉・加工食品)影響:中 速度:中〜遅(3〜6か月)
食料品は石油を直接原材料にしませんが、3つの経路で値上がり圧力を受けます。
- 輸送コスト上昇:ガソリン・軽油高騰→トラック輸送費の上昇→食料品の小売価格に転嫁
- 化学肥料の値上がり:LNG・原油を原料とする化学肥料の製造コストが上昇。農産物価格への影響が大きい
- 製造・冷蔵コストの上昇:食品加工・冷蔵保管の電力コストが増加する
■ 品目別の影響試算(原油30%上昇時、野村総合研究所)
- 野菜・肉類全般:約1.8%の値上げ(主に輸送コスト上昇の影響)
- ニンジン・キャベツ・トウモロコシ:化学肥料依存度が高く、やや大きめの上昇
- 卵・養殖魚:製造過程で電力を多用するため、電気代上昇の影響を受けやすい
8 灯油・暖房費 影響:大(冬季) 速度:早(1〜2週間)
灯油はガソリンとほぼ同様に原油価格に連動します。現在は春先のため直接的な影響は限定的ですが、情勢が秋冬まで長引いた場合、北日本を中心に暖房費が家計に直撃します。
■ 過去の価格推移
- 第1次オイルショック時(1973〜74年):灯油価格が約2倍に上昇し、「石油節約運動」が全国展開された
- 2022年(ロシアのウクライナ侵攻後):灯油が1,500〜2,000円/18L前後に上昇(2021年比で約40〜60%高)
秋冬に向けて情勢が続く場合は、早めの備蓄検討が有効です。
9 航空運賃・宅配・物流費 影響:中 速度:中(1〜3か月)
航空会社は燃料費が総コストの20〜30%を占めます。原油高が続くと「燃油サーチャージ」が引き上げられ、国際線・国内線の運賃に上乗せされます。
■ 主な影響
- 国際線燃油サーチャージ:2022年の原油高時は片道10,000〜20,000円超まで上昇した
- 国内線:燃油サーチャージに加え、便数削減・需要抑制による実質値上げも起きうる
- 宅配・物流コスト:ガソリン高騰を受けて運送会社が料金改定。送料に影響する
10 建材・塗料・接着剤 影響:中(中長期) 速度:遅(半年〜1年)
塗料・接着剤・断熱材・コーキング材など建築・住宅関連製品の多くは、石油化学製品を原料としています。
■ 主な対象品目
- 外壁塗料・防水材料:石油系溶剤を使用するため、原油高で値上がりしやすい
- 住宅用断熱材(ウレタンフォーム等):石油化学品が主原料
- リフォーム・建設コスト:輸送費と資材費の両方が上昇する
半年〜1年かけてゆっくり値上がりする傾向があります。住宅購入やリフォームを検討中の方は、今後の動向に注意が必要です。
値上がり予想品目 一覧表
| 順位 | 品目 | 影響度 | 値上がりの時期 | 過去の石油ショック時の参考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ガソリン・軽油 | 非常に高い | 1〜2週間以内 | 1974年:約1.5〜1.7倍 |
| 2 | 電気代・ガス代 | 非常に高い | 3〜4か月後 | 第1次ショック後に急騰 |
| 3 | 紙製品(トイレットペーパー等) | 高い | 1〜3か月後 | 1974年:CPI指数が約2.25倍に急騰 |
| 4 | 食品用ラップ・プラ容器 | 高い | 3〜6か月後 | 原油30%↑で約3.6%↑(NRI試算) |
| 5 | 洗剤・シャンプー | 高い | 3〜6か月後 | 原油30%↑で約7〜10%↑(NRI試算) |
| 6 | 合成繊維製品・衣類 | 中程度 | 6か月〜1年後 | 第1次ショック後に値上がり |
| 7 | 食料品全般 | 中程度 | 3〜6か月後 | 1974年:消費者物価全体が約20〜23%↑ |
| 8 | 灯油・暖房費 | 高い(冬季) | 1〜2週間以内 | 第1次ショック時に約2倍 |
| 9 | 航空運賃・物流費 | 中程度 | 1〜3か月後 | 2022年:燃油サーチャージが急騰 |
| 10 | 建材・塗料・接着剤 | 中程度(中長期) | 半年〜1年後 | 2022〜2023年の資材高騰が参考 |
※ 価格上昇の幅・時期は情勢の展開によって大きく変わります。早期収束の場合は影響が軽微にとどまる可能性があります。NRI=野村総合研究所。
地域別の注意点
自動車が生活必需品の地方・郊外
ガソリン価格の上昇は、公共交通が少なく車依存度が高い地方ほど家計への直撃度が高くなります。通勤・買い物・送迎など、日常的な移動コストがそのまま増加します。
中小企業・個人事業主
輸送コスト・光熱費・原材料費が同時に上昇するため、価格転嫁できない業種は収益を直接圧迫されます。特に農業・運輸・飲食業は要注意です。
冬季の北海道・東北・北陸エリア
情勢が秋冬まで長引いた場合、灯油・暖房コストの上昇が生活に深刻な影響を与えます。石油ファンヒーター・ストーブを使用する世帯は特に注意が必要です。
今からできる備えと対策
過去の石油ショックの経験は、「備えは早いほど有利だが、パニック買いは逆効果」という教訓を示しています。以下を参考に、冷静に対応しましょう。
【家庭でできる対策チェックリスト】
- ガソリンはこまめに給油する。極端な満タン・買い占めはしない
- 日用品(トイレットペーパー・洗剤等)は1〜2か月分程度の備蓄を心がける。過剰な買い占めは不要
- 電力会社・料金プランを見直す(自由化されたプランへの切り替えを検討)
- 電力・ガス使用量の節約を意識する(設定温度の調整、不要な機器の電源OFF)
- 自動車の使用を見直す(公共交通の活用、カーシェアの検討)
- 秋冬に向けた灯油の確保は、情勢を見ながら早めに手配しておく
- SNSのデマに注意し、公式情報(経済産業省・資源エネルギー庁等)を確認する
【補助金・支援策の動向にも注目を】
政府は過去にガソリン補助金や灯油代支援などの緊急対策を打ち出してきました。今回の情勢を受け、追加の物価対策が講じられる可能性があります。経済産業省や内閣府のウェブサイトで最新情報を確認しておきましょう。
よくある質問
Q1. 今すぐトイレットペーパーを買い占めるべきですか?
いいえ。1973年の教訓が示す通り、実際の生産・供給に問題がない場合でもパニック買いが連鎖すると棚が空になります。1〜2か月分程度の適正備蓄は有意義ですが、過剰な買い占めは状況を悪化させます。まず冷静な情報収集を優先してください。
Q2. 情勢が早期収束した場合、価格は元に戻りますか?
第2次オイルショック(1979年)では第1次より影響が軽微で済み、数年後には価格下落に転じました。ただし、2022年のロシアによるウクライナ侵攻時は原油が1バレル120ドルを超えたものの、侵攻前の水準には容易に戻りませんでした。一度上昇した価格が元に戻るには時間がかかるケースが多いといえます。
Q3. IEAの備蓄放出で状況は改善しますか?
3月11日にIEA加盟国が過去最大規模となる4億バレルの備蓄協調放出を決定しました。ただし、これはホルムズ海峡の通過分の約20日分に過ぎず、完全封鎖が長期化する場合には価格安定の効果は限定的です。持続的な価格安定にはホルムズ海峡の封鎖が解除され、原油供給が再開される必要があります(第一生命経済研究所)。
Q4. ホルムズ海峡が封鎖されると日本への影響はどの程度ですか?
日本の原油輸入の約94%が中東地域から来ており、そのタンカーの約8割がホルムズ海峡を通過します。完全封鎖が長期化すると原油調達が根本的に難しくなります。専門家試算では、原油が130ドルに上昇した場合、実質GDPを1年目▲0.58%・2年目▲0.96%押し下げると試算されています(第一生命経済研究所)。
Q5. 1973年と現在では状況がどう違いますか?
1973年当時と現在の主な違いは3点です。①省エネ技術の進歩や再生可能エネルギーの普及が進み、エネルギー効率は大幅に改善されています。②政府・IEAの石油備蓄制度が整備されており、短期的な供給途絶への対応力は高まっています。③一方でSNSによる情報拡散が格段に速くなり、パニックが起きやすい環境になっています。備えと冷静さの両立がより重要になっています。
まとめ
2026年2月28日の米・イスラエルによるイラン攻撃を受け、原油価格は一時119〜120ドル近くまで急騰しました。
IEAの備蓄協調放出などを受けて現在は80ドル台後半に落ち着いていますが、3月15日のカーグ島攻撃を受けて再上昇する可能性も残っています。
過去の石油ショックの歴史が示す通り、原油高騰はガソリン・電気代・紙製品・洗剤・食料品など幅広い品目に波及します。特に注意すべきは、1973年のトイレットペーパー騒動が示した「パニックが供給不足より先に商品を消す」という現象です。
一方で、第2次オイルショック(1979年)では省エネ対策と冷静な国民対応が被害を大幅に軽減しました。状況は流動的ですが、「冷静な情報収集」と「適度な備え」が最善の対策であることは変わりません。
今すぐ確認しておくべきこと
- 自宅の灯油・ガスの残量と備蓄状況
- 電力・ガスの料金プランの見直し余地
- 通勤・外出のガソリン使用量の節約余地
- 日用品・食料品の適正備蓄(目安:1〜2か月分)
出典・参考資料
- 野村総合研究所 木内登英「イラン情勢を受けた原油価格上昇の日本経済・国民生活への影響」(2026年3月13日)
https://www.nri.com/jp/media/journal/kiuchi/20260313.html - 野村総合研究所 木内登英「イラン情勢を受けた原油価格上昇リスクと日本経済への影響試算」(2026年3月2日)
https://www.nri.com/jp/media/column/kiuchi/20260302.html - 第一生命経済研究所 星野卓也「米イラン攻撃の日本経済への影響」(2026年3月)
https://www.dlri.co.jp/report/macro/580935.html - 第一生命経済研究所 熊野英生「イラン攻撃による原油高騰リスク」(2026年3月)
https://www.dlri.co.jp/report/macro/580943.html - 第一生命経済研究所 熊野英生「今、試されているエネルギー安全保障」(2026年3月)
https://www.dlri.co.jp/report/macro/581193.html - 第一生命経済研究所 田中理「イラン情勢が世界経済に与える影響」(2026年3月)
https://www.dlri.co.jp/report/macro/581239.html - 日本総研「イラン情勢を踏まえ、今後の原油価格をどうみるか」(2026年3月)
https://www.jri.co.jp/report/economistcolumn/detail/16505/ - 中東調査会「イラン攻撃によって混乱する中東エネルギー情勢と日本への影響」(2026年)
https://www.meij.or.jp/research/2023/51.html - 資源エネルギー庁「日本のエネルギー150年の歴史④ 2度のオイルショックを経て」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/history4shouwa2.html - 参議院予算委員会調査室「消費者物価指数半世紀の推移とその課題」経済のプリズムNo.169(2018年)
- Bloomberg「原油市場:イランの石油輸出拠点カーグ島への攻撃」(2026年3月15日)
- 総務省「家計調査」(2025年)
- Wikipedia「オイルショック」「トイレットペーパー騒動」

