2025年株主優待市場の全体動向
過去最高を更新!実施企業数が6年ぶりに増加
2025年は株主優待制度にとって歴史的な転換点となりました。株主優待実施銘柄数は2025年3月末時点で過去最多の1,580件を記録し、全上場銘柄における実施割合も6年ぶりに増加に転じました。
この背景には、東京証券取引所による市場区分の見直しとコーポレートガバナンス改革の推進があります。企業は株主還元の強化を求められる中、配当増額とともに株主優待の拡充にも積極的に取り組んでいます。

配当・自社株買いも過去最高水準
配当総額が初の20兆円超え
上場企業の株主への配当が2026年3月期に初めて20兆円を超える見通しです。前期より8%増加し、純利益の4割に相当する規模となります。
自社株買いも高水準を維持
2025年10~11月の自社株買い設定額は3.2兆円に達しました。決算発表時期に集中する傾向があり、企業の株主還元姿勢の強さが顕著に表れています。
2025年後半〜2026年の注目優待拡充銘柄
【2025年11月】ミヨシ油脂(4404):長期保有優遇で最大5倍に拡充
発表日:2025年11月25日
制度概要:
- 基準日: 年1回(3月末)
- 必要投資額: 約8万円(300株)〜約13万円(500株)
- 優待内容:
- 300株以上:従来1,000円分 → 3年以上保有で3,000円分
- 500株以上:従来1,000円分 → 3年以上保有で5,000円分
- 商品: 自社製品詰め合わせ(食用油、石鹸など)
ポイント:
長期保有株主への感謝を形にした大幅拡充。食用油や石鹸など日常生活に密着した商品が届くため、実用性が高いのが魅力です。
【2025年7月】タマホーム(1419):年2回→年1回、金額2倍の実質拡充
発表日:2025年7月24日
制度変更内容:
- 変更前: 年2回(5月末・11月末)各500円~1,000円
- 変更後: 年1回(5月末)2,000円~4,000円(現行総額の2倍)
新制度:
- 100株以上:QUOカード2,000円分
- 500株以上:QUOカード3,000円分
- 1,000株以上:QUOカード4,000円分
ポイント:
回数は減少したものの金額が2倍になったことで、実質的な拡充となっています。QUOカードは利用範囲が広く、コンビニ、書店、ガソリンスタンドなど日常的に使えるのが便利です。
【2025年6月】すかいらーくHD(3197):電子チケット化で利便性向上
発表内容:2025年6月末基準から電子チケット化
制度概要:
- 基準日: 年2回(6月末・12月末)
- 優待内容:
- 100株以上:年間4,000円分
- 500株以上:年間16,000円分
- 1,000株以上:年間34,000円分
電子化のメリット:
- 紛失・盗難のリスクがゼロ
- スマートフォンで簡単に利用可能
- 有効期限の管理が容易
- 2025年9月発送分から実施
利用可能店舗:
ガスト、バーミヤン、ジョナサン、しゃぶ葉など全グループ店舗
【2025年5月】ANA(9202):有効期間を1年→1年半に延長
発表内容:2025年5月発行分から有効期間延長
変更内容:
- 従来: 発行から1年間有効
- 新制度: 発行から1年半有効(6ヶ月延長)
優待内容:
- 100株以上:国内線片道1枚
- 200株以上:国内線片道2枚
- 400株以上:国内線片道4枚
- 1,000株以上:国内線片道7枚
ポイント:
国内線の旅客サービスシステム刷新に伴う改善。有効期間が延びたことで、旅行計画の自由度が大幅に向上しました。繁忙期でも使いやすくなっています。
【2025年7月】ザ・パック(3950):1:3株式分割で投資しやすく
実施日:2025年7月1日
分割内容:
- 分割比率: 1株 → 3株
- 基準日: 2025年6月30日
- 効力発生日: 2025年7月1日
優待内容:
- 100株以上(分割後):QUOカード1,000円分
- 300株以上:QUOカード3,000円分
分割の効果:
分割前は1単元約12万円だったものが、分割後は約4万円で投資可能に。個人投資家が参入しやすくなり、優待を受け取りやすくなりました。
2025年12月発表の新設優待(注目3銘柄)
1. SCAT(3974):上場10周年記念優待を新設
発表日:2025年12月12日
記念優待:
- 対象: 2026年10月末時点の100株以上保有株主
- 内容: QUOカード1,000円分
- 理由: 2016年12月東証JASDAQ上場から10周年
今後の予定:
2027年10月から恒常的な株主優待制度も導入予定
2. ミガロホールディングス(5535):デジタルギフト1万円分
発表日:2025年12月15日
優待内容:
- 対象: 2026年3月末時点の100株以上保有株主
- 内容: デジタルギフト10,000円分
- 実施理由: DX推進事業の売上高50億円達成を記念
重要な注意点:
公式文書によると「業績達成度合いに応じて企画された、今回限りにて実施するもの」と明記されています。単なる節目記念ではなく、業績連動型の特別優待である点に留意が必要です。
3. GMOフィナンシャルHD(7177):画期的なビットコイン優待
発表日:2025年12月16日
優待内容:
- 基準日: 2025年12月31日
- 対象期間: 2026年4月~9月の買付
- 内容: GMOクリック証券での同社株買付代金の0.03%相当のビットコインを付与(上限1万円)
受取方法:
GMOコインの暗号資産取引口座に付与
革新性:
日本初のビットコイン優待として注目を集めています。デジタル資産時代の新しい株主還元の形として、今後の展開が期待されます。
電子化・デジタル化の進展
利便性向上の大きな流れ
2025年は株主優待の電子化が加速した年となりました。
主な事例:
- すかいらーくHD(3197):2025年6月末基準から電子チケット化
- 極楽湯HD(2695):2025年12月に電子化システム導入、グループ店舗で利用可能
- WDI(3068):2025年3月末基準から電子化実施
電子化のメリット:
- 紛失・盗難リスクの解消
- スマートフォンで即座に利用可能
- 有効期限管理が容易
- 環境負荷の軽減(ペーパーレス)
2026年注目すべき優待トレンド
1. 長期保有優遇の拡大
ミヨシ油脂のように、3年以上保有で優待を大幅拡充する企業が増加傾向。安定株主の確保と株価安定化を狙う動きです。
2. デジタル・電子化の加速
紙のカードや冊子から、QRコード、アプリ、デジタルギフトへの移行が進んでいます。
3. 実用性重視の優待
生活必需品、食品、日用品など、日常生活で確実に使える優待が人気を集めています。
4. 投資しやすい単元価格への調整
株式分割により、個人投資家が優待を受け取りやすい価格帯(5万円~10万円前後)に調整する企業が増加。
投資判断の際の重要な注意事項
1. 最新情報の確認
本記事の株価・利回りは記事執筆時点のものです。投資判断の際は、必ず各企業の公式IRページで最新情報を確認してください。
2. 優待制度の変更・廃止リスク
株主優待制度は企業の業績や方針により、予告なく変更・廃止される可能性があります。特に以下の点に注意:
- 記念優待(SCAT、ミガロHDなど)は一時的な制度の可能性が高い
- 業績悪化時には優待縮小・廃止のリスクあり
3. 総合利回りの変動
「総合利回り」は株価により大きく変動します。記事内の数値は参考値として捉えてください。
4. 権利確定日と権利付き最終日
優待を受け取るには、権利付き最終日までに株を保有する必要があります。権利確定日の2営業日前が権利付き最終日となります。
主要情報源
本記事は以下の信頼性の高い情報源に基づいて作成されています:
- 野村インベスター・リレーションズ 株主優待調査
- 日本経済新聞 適時開示情報
- ニッセイ基礎研究所レポート
- 各企業の公式IRページ・適時開示資料
- 東京証券取引所 市場区分の見直しフォローアップ
まとめ
2025年後半から2026年にかけて、株主優待・株主還元は質・量ともに大きく進化しています。
主なポイント:
・実施企業数が過去最高の1,580社を記録
・配当総額20兆円超、自社株買いも高水準
・電子化・デジタル化で利便性が大幅向上
・長期保有優遇の拡充が進む
・ビットコイン優待など革新的な制度も登場
株主優待は企業と投資家をつなぐ重要なコミュニケーションツールです。配当と優待を組み合わせた総合的な株主還元を評価し、長期的な視点で投資することが成功のカギとなります。
投資は自己責任で、最新情報の確認を忘れずに!
本記事は2026年1月時点の公開情報に基づいています。投資判断の際は必ず各企業の公式情報をご確認ください。

