ナフサ不足による商品・自動車・医療への影響まとめ

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ナフサ不足の影響に関する要点

ナフサ不足の影響

2026年2月末の中東情勢悪化を受け、3月以降にホルムズ海峡の通航が大きく制約され、ナフサの調達不安が広がっています。ナフサはプラスチックや合成ゴム、塗料、接着剤などの基礎原料となるため、食品包装、自動車部品、医療機器など幅広い分野に影響が及ぶ可能性があります。

国内製造業の約3割がナフサ関連製品の調達リスクに直面する可能性があり、医療現場では透析回路など一部の医療機器について、早いものでは8月ごろから国内への出荷が困難になる可能性も指摘されています。

重要ポイント

  • 製造業の約3割、約4万6741社がナフサ関連製品の調達リスクに直面する可能性がある
  • ごみ袋や食品トレーなど、日用品・食品包装資材で値上げの動きが出ている
  • 国内エチレン設備の一部で減産や停止が起き、石油化学製品の供給不安が広がっている
  • 透析患者約34万人の治療に関わる医療機器について、供給リスクが指摘されている
  • 政府と関係省庁は医療用途を中心に安定供給を図る体制を立ち上げているが、短期的な解決には不透明感が残る

ナフサ不足による食品・日用品への影響

ナフサ不足による食品・日用品への影響

ごみ袋・食品トレー・弁当容器で値上げの動き

ナフサから作られるエチレンやプロピレンは、ポリエチレンやポリスチレンなどの原料になります。これらは、ごみ袋、食品トレー、弁当容器、カップ麺容器、包装フィルムなどに使われています。

ポリエチレン製品は2026年5月下旬から30%以上の値上げが見込まれ、食品トレーなどに使われる発泡ポリスチレンシートは2026年4月下旬出荷分から1kgあたり120円の値上げが見込まれています。

これらの包装資材の値上げは、すぐにすべての商品価格へ転嫁されるとは限りません。ただし、スーパーの弁当、総菜、カップ麺、冷凍食品、日用品などでは、今後一部商品で価格上昇につながる可能性があります。

国内製造業の約3割が調達リスクに直面する可能性

帝国データバンクの調査では、主要な化学製品メーカー52社から直接・間接的に仕入れる製造業が全国で4万6741社に上るとされています。これは、集計対象となった全製造業約15万社のうち約3割に相当します。

ただし、この数字は「すでに全社で操業停止が起きている」という意味ではありません。ナフサ関連製品を原材料とする産業に携わっている可能性があり、調達リスクに直面する可能性がある、という意味です。

また、帝国データバンクの調査では、資本金1億円未満の中小企業が多く含まれていることも示されています。大企業に比べて価格転嫁や在庫確保が難しい中小企業では、原料価格の上昇や納期遅延の影響を受けやすい点に注意が必要です。

ナフサ不足のによる自動車産業への影響

ナフサ不足のによる自動車産業への影響

ポリプロピレン不足がバンパー・内装材・塗料に波及する可能性

ナフサを分解して得られるプロピレンは、ポリプロピレンの原料になります。ポリプロピレンは、自動車のバンパー、内装材、ダッシュボード周辺部品、各種樹脂パーツなどに使われています。

石油化学設備で減産や停止が発生すると、こうした樹脂材料の供給が絞られ、自動車部品の納期に影響する可能性があります。また、塗装工程で使う塗料やシンナー、接着剤などにも石油化学製品が使われているため、影響は樹脂部品だけに限られません。

タイヤ・ホースなどのゴム製品も影響を受ける可能性

ナフサ由来の化学製品は、合成ゴムの原料としても使われます。自動車では、タイヤ、ホース、シール材、ワイパー部品、防振ゴムなど、多くの部品にゴム素材が使われています。

そのため、ナフサ不足が長引けば、新車生産だけでなく、修理・整備に使う交換部品の納期にも影響が出る可能性があります。特に、板金修理やタイヤ交換、ホース交換など、部品の確保が必要な整備では、販売店や整備工場への早めの確認が重要になります。

JIT生産体制では部品供給の遅れがライン停止につながりやすい

自動車産業は、必要な部品を必要なタイミングで納入するJIT生産体制を採用している企業が多くあります。この仕組みは在庫を抑えられる一方で、特定の部品や素材の供給が止まると、生産ライン全体に影響が出やすい弱点があります。

2021〜2022年の半導体不足でも、自動車メーカーが生産計画を繰り返し見直しました。今回のナフサ不足でも、石油化学製品の供給不安が長引けば、部品メーカー、完成車メーカー、修理・整備業者まで影響が広がる可能性があります。

ナフサ不足による医療現場への影響

ナフサ不足による医療現場への影響

点滴バッグ・注射器・透析回路などに使われる医療用プラスチック

医療現場では、点滴バッグ、チューブ、注射器、透析回路、廃液容器など、多くの医療機器にプラスチックが使われています。エチレンからは柔らかい素材の医療用品が、プロピレンからは注射器などの硬い素材の医療用品が作られます。

医療用プラスチックは、薬機法などの規制や品質管理の観点から、工業用製品のように原料や製造工程を簡単に切り替えることができません。そのため、ナフサ由来素材の供給不足は、医療現場にとって特に深刻な問題になります。

透析回路は早いものでは8月ごろから出荷困難の可能性

ロイターは2026年3月27日、ナフサの供給不足が深刻化した場合、透析・手術用の一部医療機器が4月半ばから8月ごろにかけて不足する可能性があると報じています。特に「透析回路」については、国内シェア5割を占める企業から政府が聞き取った結果、タイやベトナム工場へのナフサ供給不足により、早いものでは8月ごろから国内への出荷が困難になる可能性があるとされています。

また、手術中に使用する「廃液容器」についても、国内シェア7割を占める企業のタイ工場へのナフサ供給が4月半ばまでで終了する見込みと報じられています。

国内には約34万人の透析患者がいます。透析治療は継続が必要な医療であり、透析回路などの消耗品が不足すれば、患者の生命に関わる問題になります。

医療用品の不足や値上げに備える動きが必要

ナフサ不足による医療用品の不足や値上げに備える必要性があります。医療用チューブ、点滴バッグ、注射器などは、日常診療で大量に使われるため、供給不安が広がると医療機関の在庫管理に大きな負担がかかります。

ただし、現時点で「すべての医療機器がすぐに不足する」と断定するのは正確ではありません。政府や関係省庁はサプライチェーンに関する情報を集約し、医療活動が停滞しないよう安定供給を図る体制を立ち上げています。

政府は安定供給を図る体制を立ち上げ済み

ロイターによると、政府は透析回路や手術用の廃液容器、食品包装材の原材料などを例示し、特に医療関係については、厚生労働省と経済産業省が連携して、サプライチェーンに関する情報を集約する体制を立ち上げたと説明しています。

一方で、医療品目への原料優先配分をどこまで強制できるのか、どの程度の期間まで安定供給を維持できるのかについては、引き続き不透明な部分があります。医療機関や在宅医療を利用している方は、必要な消耗品の供給状況を早めに確認しておくことが重要です。

ナフサとは?

ナフサとは

ナフサは「産業の水」、止まれば幅広い産業に影響が出る

ナフサとは、原油を精製した際に得られる軽質の油で、プラスチックや合成ゴム、塗料、接着剤など幅広い素材の出発点となる基礎原料です。ナフサから作られるエチレンやプロピレンは、食品包装、自動車部品、医療機器、建材、日用品など、私たちの生活に身近な製品の原料として使われています。

ガソリン不足であれば、自動車の燃料供給に大きな影響が出ます。一方で、ナフサ不足は燃料だけでなく、包装材、樹脂部品、医療用チューブ、注射器、断熱材など、幅広い製品の供給に影響する可能性があります。そのため、ナフサは「産業の水」と呼べるほど重要な基礎原料です。

2026年3月以降のホルムズ海峡の通航制約が調達不安を拡大

2026年2月28日に中東情勢が悪化し、3月以降、ホルムズ海峡の通航が大きく制約されました。JETROは、2026年3月にホルムズ海峡が事実上封鎖され、世界の物流と貿易に影響を与えていると説明しています。

日本で使われるナフサは中東依存度が高く、ホルムズ海峡の通航制約は、ナフサ調達に大きな不安を生みます。代替調達を進めても、輸送ルートの変更や輸送日数の増加、コスト上昇が避けられないため、短期間で平常時の供給体制に戻すのは簡単ではありません。

ナフサの代替調達と今後の見通し

代替ルートの確保は進むが、輸送日数とコストが課題

ホルムズ海峡の通航制約を受け、企業や政府は中東以外からのナフサや石油化学製品の調達を進めています。ただし、代替ルートを使う場合、通常より輸送距離が長くなり、輸送日数や燃料費、保険料が増える可能性があります。

ナフサは単に「買えばすぐ届く」ものではありません。調達先、船舶、港湾、保険、通関、国内輸送まで含めたサプライチェーン全体が整わなければ、工場や医療現場まで届きません。そのため、代替調達が進んでも、現場の供給不安がすぐに解消されるとは限りません。

「事実上の封鎖」と「法的な閉鎖」は同じではない

ホルムズ海峡については、「封鎖」という言葉だけが独り歩きしやすい点にも注意が必要です。今回の問題は、海峡が法的に完全閉鎖されたというより、攻撃リスク、保険料上昇、船主の航行拒否、通航制約などが重なり、通常の商業航行が大きく制約されている状態と見る方が正確です。

製造業への影響は長期化する可能性がある

帝国データバンクの調査では、国内製造業の約3割がナフサ関連製品の調達リスクに直面する可能性があるとされています。

この調査は、直ちに全企業で生産停止が起きるという意味ではありません。しかし、ナフサ関連製品は食品包装、自動車部品、建材、日用品、医療機器など幅広い分野に使われているため、影響が長期化すれば、原材料価格の上昇、納期遅延、製品価格の上昇などが広がる可能性があります。

注意点・トラブル対応

パニック買いより「使い方を変える」

食品やプラスチック製品のパニック買いは推奨できません。必要以上の買いだめは、かえって一時的な品薄を招く可能性があります。

個人でできる対策としては、詰め替え用製品を選ぶ、使い捨て品の利用を減らす、食品ロスを減らす、長く使える製品を選ぶなどが現実的です。家庭内でプラスチック製品の使い方を見直すことは、需給の偏りを緩和する小さな対策になります。

FAQ

Q. ナフサ不足はいつまで続くのですか?

現時点では、終息時期を明確に見通すことはできません。2026年3月以降、ホルムズ海峡の通航が大きく制約されており、JETROも世界の物流と貿易に影響が出ていると説明しています。

代替調達は進められていますが、輸送日数やコストの増加、船舶や保険の問題があるため、短期間で通常通りの供給に戻るとは限りません。少なくとも当面は、価格上昇や納期遅延のリスクを前提に考える必要があります。

Q. スーパーの食品価格はこれからさらに上がりますか?

一部商品で上がる可能性があります。

食品トレーや弁当容器、包装フィルムなどの包装資材では、すでに値上げの動きが出ています。野村総合研究所は、発泡ポリスチレンシートが2026年4月下旬出荷分から1kgあたり120円値上げされる見込みと説明しています。

ただし、包装資材の値上げがすべての商品価格にすぐ反映されるわけではありません。メーカーや小売店がどこまで価格転嫁するかによって、影響の出方は変わります。

Q. 自動車の新車購入や整備は影響を受けますか?

影響を受ける可能性があります。

自動車には、バンパー、内装材、ゴムホース、タイヤ、塗料、接着剤など、ナフサ由来の素材が多く使われています。石油化学製品の供給不安が長引けば、新車の納期や修理部品の手配に影響が出る可能性があります。

新車購入や修理を予定している方は、販売店や整備工場に納期の見通しを早めに確認しておくと安心です。

Q. 医療機関はどう対応しているのですか?

政府や関係省庁は、医療関係のサプライチェーン情報を集約し、安定供給を図る体制を立ち上げています。ロイターによると、透析回路や手術用廃液容器など、一部の医療機器について供給リスクが把握されています。

医療機関では、在庫管理の見直し、卸業者への確認、代替品目の検討などが必要になります。在宅で透析関連用品やストーマ用品などの医療消耗品を使っている方は、自己判断で買いだめするのではなく、主治医や担当業者に供給状況を確認してください。

Q. 個人でできる対策はありますか?

買いだめより、使い方を変えることが現実的です。

詰め替えタイプの日用品を選ぶ、使い捨てプラスチックを減らす、食品ロスを減らす、必要な分だけ購入する、といった行動が大切です。医療機器や医療消耗品を日常的に使っている場合は、担当医師や卸業者と連絡を取り、5月以降の供給状況を確認しておくことが最優先です。

まとめ

2026年2月末の中東情勢悪化を受け、3月以降にホルムズ海峡の通航が大きく制約され、ナフサの調達不安が広がっています。ナフサは、食品包装、自動車部品、医療機器、建材、日用品など幅広い製品の基礎原料であり、供給不足や価格上昇が長引けば、私たちの生活にも影響が及ぶ可能性があります。

帝国データバンクの調査では、国内製造業の約3割にあたる4万6741社が、ナフサ関連製品の調達リスクに直面する可能性があるとされています。

特に医療分野では、透析回路や手術用廃液容器など、一部の医療機器について供給リスクが指摘されています。透析患者は国内に約34万人おり、医療機器の安定供給は命に関わる問題です。

政府や関係省庁は安定供給を図る体制を立ち上げていますが、輸送日数の増加や調達コストの上昇など、短期的な解決が難しい課題も残っています。消費者、医療機関、事業者は、過度な買いだめではなく、在庫確認、代替手段の検討、早めの相談を進めることが重要です。

出典・参考資料

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この記事を書いた人

おトクらし編集部です!(管理人もやってます!)お得・節約・ポイ活・キャッシュレス・キャンペーン…などの言葉に敏感な運営メンバーが、日々のお得にまつわる情報を配信!

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