2026年4月から国民年金保険料が月額17,920円に引き上げられます。
3年連続の値上がりで、電気・ガス代補助金の終了とも重なる4月は家計への負担が集中する月です。
ただ、払い方を変えるだけで最大17,370円トクになる制度があり、今すぐ申し込めます。
さらに払った保険料は全額が税控除の対象にもなります。この記事でまとめて確認しましょう。
この記事の要点
- 2026年4月から国民年金保険料が月額17,920円に(2025年度比+410円・3年連続値上がり)
- 影響を受けるのは自営業・フリーランス・学生など第1号被保険者のみ(会社員は対象外)
- 2年前納(口座振替)に切り替えるだけで2年間で最大17,370円割引——今すぐ申し込める
- 払った保険料は全額が社会保険料控除の対象——確定申告で忘れずに申告を
なぜ今、国民年金保険料が上がり続けているの
物価・賃金の上昇がそのまま反映される仕組みになっている
国民年金保険料は毎年、物価変動率と実質賃金変動率をもとに自動的に改定されます。
2026年度の保険料は、2024年の物価変動率+2.7%と2021〜2023年度の実質賃金変動率平均▲0.4%を反映した改定率1.054を、基準額17,000円に乗じて17,920円に確定しました。
つまり値上がりの主因は「物価が上がっているから」です。食料品も光熱費も上がる中で、年金保険料まで上がる——それが今の家計を直撃しています。
▶ 今だからこそ: 電気・ガス代の補助金が3月使用分で終了し、4月から実質値上がりとなります。保険料値上がりと光熱費値上がりが同じ4月に重なる今こそ、払い方を見直して少しでも負担を減らすタイミングです。
ただし、受け取る年金額も増えている
払う額だけが増えているわけではありません。2026年4月から老齢基礎年金の満額も月額70,608円に引き上げられます(2025年度比+1,300円)。
物価上昇に合わせて将来の受取額も増える仕組みになっているため、保険料を確実に納めることが老後の備えに直結します。
「対象者は誰か」を正確に確認しよう
国民年金保険料17,920円の影響を受けるのは第1号被保険者のみです。
| 区分 | 主な対象者 | 保険料の支払い |
|---|---|---|
| 第1号被保険者 | 自営業・フリーランス・学生・無職など | 自分で納付(今回の値上げが直撃) |
| 第2号被保険者 | 会社員・公務員 | 厚生年金保険料として給与天引き(別制度・今回関係なし) |
| 第3号被保険者 | 第2号に扶養される配偶者(年収130万円未満) | 納付不要 |
会社員は直接関係ありませんが、20歳になった学生の子どもがいる家庭や、転職・退職で一時的に第1号になる方は要注意です。
今すぐできる節約術①:払い方を変えるだけで最大17,370円トク
国民年金保険料は「いつ・どうやって払うか」によって実際の負担額が大きく変わります。
前納制度の比較(令和8〜9年度=2026年4月〜2028年3月分)
| 支払い方法 | 割引額 | 割引率 |
|---|---|---|
| 毎月払い(翌月末) | なし | 0% |
| 口座振替・早割(当月末) | 月60円(年720円) | 微小 |
| 6か月前納(口座振替) | 1,220円×2回=2,440円/年 | 約0.7% |
| 1年前納(口座振替) | 4,510円/年 | 約1.3% |
| 2年前納(口座振替) | 17,370円(2年分) | 約4% |
● 2年前納(口座振替)が圧倒的にお得
令和8年度17,920円×12か月+令和9年度18,290円×12か月=434,520円のところ、口座振替2年前納なら実際の引き落とし額は417,150円(17,370円割引)。割引率は約4%で、銀行預金金利(0.3%程度)の約13倍の節約効果です。
申し込み方法と今からでも間に合う手順
2年前納は今からでも申し込めます。
現金(納付書)による2年前納のお支払い期限は4月末日です。まだ間に合います。また口座振替・クレジットカード納付の前納はいつでも随時申し込み可能です。
申し込み方法:最寄りの年金事務所に連絡するか、マイナポータル経由の「ねんきんネット」からオンラインで手続きできます。
なお2025年1月から「2年前納(4月開始)」という新しい方法も追加されました。
手続き後、当年度3月分までは毎月払いで、翌年度4月から2年分をまとめて引き落とす方法です。まとまった資金の準備に時間が必要な方に向いています。
今すぐできる節約術②:払った保険料は全額が税控除になる
前納割引と並んで知っておきたいのが、社会保険料控除です。
国民年金保険料は支払った全額を所得から差し引くことができ、確定申告(または年末調整)で申告するだけで所得税・住民税が安くなります。
【年間の保険料全額が所得控除になる】
2026年度の年間保険料は約21万5,040円(17,920円×12か月)。
この全額が社会保険料控除の対象です。所得税率が10%の方なら約21,500円、20%の方なら約43,000円の節税効果があります。
手続きは、日本年金機構から毎年10〜11月に送付される「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」を確定申告書に添付するだけです。
紛失した場合は領収書でも代用できます。
家族分の保険料を払った場合も控除できる
生計を同一にする家族(子ども・配偶者・親など)の国民年金保険料を代わりに支払った場合、支払った人の社会保険料控除として申告できます。
たとえば親が学生の子どもの国民年金を肩代わりすると、所得の高い親の節税につながります。この場合も子ども宛に届く控除証明書が必要なので、捨てずに保管してください。
▶ 今だからこそ: 今年(2026年)4月以降に支払う保険料は、来年(2027年)の確定申告で控除できます。前納で割引を受けつつ控除も申告すれば、実質的な負担をさらに減らせます。「前納割引+税控除」のダブル節約を意識しておきましょう。
払えない・払いにくい場合の注意点
未納は絶対に避ける——免除・猶予制度を使おう
保険料が未納のままだと、老齢基礎年金額が少なくなるだけでなく、障害年金・遺族年金が受け取れなくなる場合もあります。収入が少なく支払いが難しい場合は放置せず、必ず免除・猶予の申請をしてください。
免除・猶予制度を使うと何が変わる?
免除・猶予が認められると「未納」ではなく「免除期間」として扱われるため、将来の年金受給権は保護されます(満額より減りますが、ゼロにはなりません)。申請窓口は市区町村の国民年金担当窓口または年金事務所です。
よくある質問(FAQ)
Q. 会社員ですが、17,920円を払う必要がありますか?
会社員・公務員は厚生年金に加入しており、給与から天引きされる「厚生年金保険料」が別途かかります。
今回の国民年金保険料17,920円を個別に支払う必要はありません。ただし、20歳になったお子さんが学生の場合は第1号被保険者として対象になります。親が代わりに払えば、親の社会保険料控除として節税にもなります。
Q. 2年前納は今からでも申し込めますか?
はい、申し込めます。現金(納付書)による2年前納は4月末が支払い期限で、まだ間に合います。口座振替・クレジットカード納付の前納はいつでも随時申し込み可能です。詳細は年金事務所またはねんきんネット(https://www.nenkin.go.jp)でご確認ください。
Q. 学生は払わなくていいと聞きましたが本当ですか?
「学生納付特例制度」を申請すれば、在学中の保険料の支払いを猶予してもらえます。ただし猶予期間中は年金額に反映されないため、将来的に追納することをおすすめします。申請は市区町村窓口または年金事務所で。なお親が代わりに払った場合は親の社会保険料控除になります。
Q. 国民年金保険料はいつまで上がり続けるのですか?
国民年金法で保険料の上限は月額17,000円(平成16年度価格水準)と固定されており、物価・賃金の変動を反映した保険料改定率を乗じた額が毎年の保険料になります。2027年度は18,290円になることがすでに公表されており、物価が高止まりする間は上昇傾向が続く見通しです。
Q. 保険料を払うと将来いくら受け取れますか?
40年間(480か月)全期間納付すると、老齢基礎年金の満額を受け取れます。2026年度の満額は月70,608円(年約847,300円)です。支払総額(40年分)は約860万円(2026年度保険料で試算)に対し、約10年で元が取れる計算になります。
まとめ
2026年4月から国民年金保険料は月17,920円に引き上げられ、3年連続の値上がりとなります。
電気・ガス代補助金の終了とも重なる4月は、家計への負担が一気に集中する月です。
ただし対策はあります。①2年前納(口座振替)で2年間17,370円割引、②払った保険料全額を社会保険料控除で申告。
この2つを組み合わせるだけで、値上がりの影響をかなり抑えられます。払えない場合は絶対に未納放置せず、免除・猶予制度を活用してください。
●今すぐやること
- 自分が第1号被保険者かどうか確認する(自営業・フリーランス・学生・退職後の方は対象)
- 2年前納(口座振替)を申し込む——現金払いは4月末が期限、口座振替はいつでも申込可(ねんきんネット:https://www.nenkin.go.jp)
- 「ねんきんネット」で現在の納付状況と将来の受取見込み額を確認する
- 今年払った保険料は来年の確定申告で忘れずに社会保険料控除として申告する
- 学生の子どもの保険料を親が払う場合、子ども宛の控除証明書(11月頃届く)を保管しておく
- 払えない・払いにくい場合は市区町村窓口または年金事務所で免除・猶予を申請する

