株主優待で節約していた人に緊急警報!何が起きているの?

「毎月の外食費、株主優待の食事券で浮かせてるんだけど…」
「イオンの優待カードで買い物がお得になって助かってる!」
そんな株主優待を活用して賢く節約している皆さんに、2026年にかけて大きな変化が訪れています。
実は今、東京証券取引所(東証)が上場企業に求める条件が厳しくなり、2025年8月時点で217社の企業が上場維持基準を下回っており、「上場廃止」のリスクに直面しています。
MBO(経営陣による買収)や完全子会社化による上場廃止の場合は株式が買い取られますが、基準未達による上場廃止の場合、株価が急落し売却が困難になる可能性があります。
さらに困ったことに、上場廃止を避けるために多くの企業が「株主優待を廃止して、そのお金を配当に回す」という選択をし始めているのです。
2026年10月が重要な期限
3月決算の企業の場合、2026年3月末までに条件をクリアできないと、監理銘柄・整理銘柄(原則6か月)に指定された後、2026年10月1日に上場廃止となる可能性があります。つまり、あと1年ちょっとで、あなたが愛用している株主優待が消えてしまうかもしれないのです。
まずは基礎知識:「上場維持基準」って何?
小学生でも分かる!上場維持基準の説明
「上場維持基準」とは、東証に上場し続けるために企業が満たさなければいけない条件のこと。
学校のテストで「赤点を取ったら留年」というルールがあるように、企業にも「この条件を満たせないと上場を続けられません」というルールがあるのです。
主な条件を家計に例えると
企業が満たすべき条件を、家計に例えて説明しましょう。
1. 株主数(最低150〜800人必要)
→ 家計で例えると「友達の数」。一定数以上の人に応援されていないとダメ
2. 流通株式時価総額(最低5〜100億円必要)
→ 家計で例えると「銀行の貯金額」。ある程度の資産がないとダメ
※ 市場によって必要額が違います
- プライム市場:100億円以上(一等地の大型マンション級)
- スタンダード市場:10億円以上(郊外の一戸建て級)
- グロース市場:5億円以上(ワンルームマンション級)
3. 流通株式比率(最低25〜35%必要)
→ 家計で例えると「自由に使えるお金の割合」。社長や大株主が株を持ちすぎていて、市場に出回っている株が少なすぎるとダメ
今まで「猶予期間」があったけど終了しました
2022年4月に東証の市場が再編されたとき、基準が厳しくなりました。でも「いきなりは無理だよね」ということで、2025年3月まで「猶予期間(経過措置)」が設けられていました。
この猶予期間が2025年3月に終了し、2025年3月末以降の基準日(事業年度末)から本格的に厳しい基準で判定されています。3月決算企業の場合、2025年3月末が最初の判定日となりました。
家計への具体的な影響:優待がなくなるとこんなに損する!
実例で計算!優待廃止で年間いくら損する?
人気の優待銘柄が廃止された場合、家計にどれくらい影響するか計算してみましょう。
※注意:以下の金額は各社の優待制度を参考にした例示です。優待内容は変更される可能性があるため、投資の際は必ず各企業の最新の公式情報をご確認ください。
ケース1:外食優待を活用している家族
- 外食系A社:年間12,000円分の食事券
- 外食系B社:年間10,000円分の割引券
- 外食系C社:年間6,000円分の食事券
→ 合計年間28,000円相当の節約が消える可能性
ケース2:日用品・買い物優待を活用している主婦
- 総合小売A社:買い物割引(年間平均12,000円相当)
- 日用品メーカーB社:自社製品詰め合わせ(年間3,000円相当)
- クオカード系優待3銘柄:年間9,000円分
→ 合計年間24,000円相当の節約が消える可能性
ケース3:エンタメ・交通優待を楽しむ家族
- 航空会社:国内線の割引券(年間2回使用で約20,000円分)
- 映画館系優待:年間6,000円分
- 遊園地・レジャー系:年間8,000円分
→ 合計年間34,000円相当の節約が消える可能性
これらを合計すると、優待を活用している家庭では年間2〜5万円の家計負担増になる可能性があります。月額に換算すると約2,000〜4,000円。光熱費や通信費の値上げに匹敵するインパクトです。
優待がなくなる企業の特徴
以下のような企業は、優待廃止や上場廃止のリスクが高いです。
- 株価が100円〜300円台の低位株
- 時価総額が小さい(100億円未満)
- 創業家や親会社が株の大半を持っている
- 赤字が続いている、または利益が減少傾向
- スタンダード市場やグロース市場の企業
なぜ株主優待が廃止されるの?企業の本音を解説
理由1:流通株式を増やしたいから
企業が上場を維持するには「流通株式比率」を25〜35%以上にする必要があります。流通株式とは、社長や大株主が持っている分を除いた、市場で自由に売買できる株のこと。
株主優待があると、個人投資家が「優待目当て」で株を買って長期保有します。
日本証券業協会の調査によると、株主優待制度のある企業の株主数は、制度がない企業の2倍以上になることが確認されています。
これ自体は良いことですが、個人株主が増えすぎると「少額株主が多く、株があまり動かない」状態になってしまいます。
企業としては「もっと大きなお金を動かせる機関投資家(プロの投資家)に株を持ってほしい」という思いがあり、優待を廃止して個人株主を減らし、流通株式比率を改善しようとするのです。
理由2:「公平な利益還元」を求められているから
機関投資家や海外投資家からは「株主優待は不公平だ」という声が強まっています。
- 100株持っている人:3,000円分のクオカード
- 10,000株持っている人:同じく3,000円分のクオカード
株をたくさん持っている人も、少ししか持っていない人も、もらえる優待は同じ。
これは「100倍の投資をしているのに、リターンは同じ」ということで、大口投資家からは不公平に見えるのです。
日本証券業協会の報告書によると、従来は「上場廃止」や「業績悪化」が優待廃止の主な理由でしたが、近年では「公平な利益還元」を理由に挙げる企業が増加しています。
実際、2021年には廃止企業の約4割が「公平な利益還元」を理由としていました。
理由3:優待コストを削減して財務改善したいから
株主優待の実施には、意外とお金がかかります。
- 商品の製造・発送コスト
- カタログの印刷・郵送費
- 事務処理の人件費
- システム管理費用
例えば、1万人の株主に年2回優待を送ると、商品代だけでなく、発送費や管理費を含めて数千万円のコストがかかることもあります。
業績が厳しい企業にとって、このコストを削減して、その分を事業投資や配当に回したいという事情があるのです。
危険な銘柄の見分け方:初心者でもできる3つのチェック方法
チェック1:東証の公式リストで確認(一番確実)
東京証券取引所が毎週更新している「改善期間該当銘柄一覧」をチェックしましょう。
ここに載っている企業は、上場維持基準を満たしておらず、改善期間に入っている状態です。
確認手順(スマホでもOK)
- 「東証 改善期間該当銘柄」で検索
- 日本取引所グループのサイトにアクセス
- Excelファイルをダウンロード(無料)
- 自分の持っている銘柄が載っていないか確認
リストに載っている=すぐに上場廃止になるわけではありませんが、「要注意」の状態です。2025年8月時点で217社が基準を下回っており、同年11月時点では174社となっています(改善した企業もあるため数が変動します)。
チェック2:株価と時価総額を見る(簡易版)
証券会社のアプリで、以下をチェックしましょう。
プライム市場の場合
- 時価総額:200億円以下なら黄色信号、100億円以下なら赤信号
- 株価:500円以下の低位株は要注意
スタンダード市場の場合
- 時価総額:30億円以下なら黄色信号、10億円以下なら赤信号
- 株価:300円以下の低位株は要注意
グロース市場の場合
- 時価総額:10億円以下なら黄色信号、5億円以下なら赤信号
- 株価:200円以下の低位株は要注意
時価総額は、証券会社のアプリで銘柄を検索すれば、すぐに表示されます。
チェック3:企業の開示情報を読む(中級者向け)
企業のホームページのIR情報(投資家向け情報)で、以下のキーワードがないかチェックします。
危険サイン
- 「上場維持基準への適合に向けた計画」
- 「改善期間」
- 「流通株式時価総額の改善」
- 「株主還元方針の見直し」
これらの言葉が出てきたら、上場維持に苦労している可能性が高いです。同時に「株主優待制度の見直しを検討」という文言があれば、優待廃止の可能性があります。
安全サイン
- 「株主優待制度を拡充」
- 「個人株主の皆様へ感謝」
- 「優待利用率が高く好評」
こうした前向きな表現があれば、当面は優待継続の可能性が高いでしょう。
今すぐやるべき5つの対策
対策1:保有銘柄の安全性を今すぐチェック
まずは自分が持っている優待銘柄が、上場維持基準をクリアしているか確認しましょう。証券会社のマイページで保有銘柄を一覧にして、上記のチェック方法で一つずつ確認します。
簡単チェックシート(コピーして使ってください)
銘柄名:__________
市場:□プライム □スタンダード □グロース
時価総額:_____億円
株価:_____円
改善期間リスト:□載っている □載っていない
判定:□安全 □要注意 □危険
対策2:危険銘柄は早めに売却または減らす
改善期間リストに載っていて、時価総額も低い銘柄は、優待をもらえるうちに売却を検討しましょう。
売却のタイミング
- 権利確定日の直後(優待をもらった後)
- 株価が下がる前の早いタイミング
- 遅くとも2026年3月まで
「まだ大丈夫だろう」と思っていると、監理銘柄に指定されて株価が急落し、売りたくても売れない状況になることがあります。改善期間内に基準をクリアできない場合、監理銘柄・整理銘柄(原則6か月)に指定された後、上場廃止となります。
対策3:安全な代替優待銘柄を探しておく
優待廃止に備えて、代わりとなる安全な優待銘柄をリストアップしておきましょう。
安全な大型優待銘柄の選び方
- 時価総額が基準を大幅に上回っている(プライムなら500億円以上が目安)
- 業績が安定している
- 優待制度の歴史が長い(10年以上)
- 配当も実施している
※具体的な銘柄名を挙げる際は、必ず最新の時価総額、優待内容、配当状況を各企業の公式サイトで確認してください。優待制度は変更される可能性があります。
対策4:優待だけでなく配当も重視する
これからは「優待だけ」ではなく「優待+配当」で選ぶ時代です。優待が廃止されても、配当があれば一定のリターンが確保できます。
総合利回りの計算方法
総合利回り=(年間配当額+年間優待価値)÷ 投資金額 × 100
例:
- 投資金額:10万円
- 年間配当:2,000円(配当利回り2%)
- 年間優待:3,000円相当(優待利回り3%)
- 総合利回り:5%
配当利回りが2〜3%以上ある銘柄を選んでおけば、優待が廃止されても、配当でカバーできます。
対策5:株主優待に頼りすぎない生活設計を
株主優待は「あったらラッキー」くらいに考え、生活の基盤を優待に頼りすぎないようにしましょう。
分散の考え方
- 優待銘柄:ポートフォリオの30〜50%程度
- 配当銘柄:30〜40%
- 成長株:20〜30%
すべてを優待銘柄にせず、配当銘柄や成長が期待できる銘柄も混ぜることで、リスクを分散できます。
初心者向けQ&A:みんなが気になる疑問に答えます
Q1. 上場廃止になったら、持ってる株はどうなるの?お金は戻ってくる?
A:ケースによって異なりますが、基準未達による廃止は要注意
上場廃止には大きく分けて2つのケースがあります。
ケース1:MBO(経営陣による買収)や完全子会社化の場合
株主に対して買取価格が提示され、株式が現金化されます。この場合、株主優待は終了しますが、保有株式は一定の価格で買い取られるため、金銭的な損失は限定的です。
ケース2:上場維持基準未達による廃止の場合
上場廃止が決まると、約1か月間「整理銘柄」として取引できます。この期間に売却は可能ですが、みんなが売りたがるので株価が急落することが多いです。
整理銘柄期間が終わると、東証での売買はできなくなります。株自体は持ち続けられますが、売却先を自分で探さないといけない状態になります。つまり、実質的に換金が非常に難しくなると考えてください。
株主優待も上場廃止と同時に終了します。配当は会社が存続していれば続く可能性がありますが、少額になることが多いです。
Q2. 「改善期間」に入っている銘柄は今すぐ売った方がいいの?
A:すぐに売る必要はありませんが、定期的なチェックは必須
改善期間は原則として1年間(売買高基準は6か月)あり、その間に企業が基準をクリアすれば問題ありません。
実際、業績回復や株価上昇で基準をクリアする企業も多くあります。2025年8月に217社だった基準未達企業が、11月には174社に減少しているのも、一部の企業が改善に成功したためです。
ただし、以下の場合は早めの売却を検討してください。
- 改善期間の終了まで残り3か月未満
- 企業の発表する「改善計画」が非現実的
- 四半期ごとの進捗報告で改善が見られない
- 株価がじわじわ下がり続けている
定期的に企業の発表をチェックして、改善が順調に進んでいるか確認しましょう。
Q3. 優待目当てで買った株、優待がなくなったらどうすればいい?
A:配当がある場合は保有継続、ない場合は売却を検討
優待が廃止されても、配当利回りが2〜3%以上あれば、保有を続ける価値があります。近年の傾向として、優待を廃止する代わりに配当を増やす企業が増えています。
例:オリエンタルランド(ディズニーランドの運営会社)
- 2020年まで:1日パスポートの優待あり、配当なし
- 2021年から:優待廃止、配当を開始(利回り約0.5〜1%)
一方、配当も優待もなくなってしまう場合は、保有を続ける理由がなくなるため、売却を検討しましょう。
Q4. 初心者でも買える、安全な優待株の選び方を教えて!
A:以下の5つの条件を満たす銘柄を選びましょう
- 上場維持基準を十分にクリアしている
- プライム市場なら時価総額500億円以上が目安
- スタンダード市場なら時価総額50億円以上が目安
- 業績が安定している
- 直近3年間で売上・利益が安定または成長傾向
- 配当実績がある
- 配当利回り2%以上が目安
- 優待制度の歴史が長い
- 10年以上継続していると安心
- 改善期間リストに載っていない
- JPXのサイトで確認
※重要な注意事項
具体的な銘柄に投資する際は、必ず以下を確認してください:
- 各企業の最新の優待制度内容(企業の公式サイトまたはIR情報)
- 最新の株価と時価総額
- 最新の業績情報
- 改善期間該当銘柄リストへの掲載状況
優待制度は変更される可能性があるため、投資判断は必ず最新情報に基づいて行ってください。
Q5. 優待廃止が発表されたら株価はどうなるの?
A:基本的に下がりますが、配当が増えれば影響は限定的
優待廃止が発表されると、優待目当ての個人投資家が売却するため、短期的には株価が5〜15%程度下がることが多いです。
ただし、以下のケースでは株価への影響が小さくなります。
- 優待廃止と同時に配当増額を発表
- 優待コスト削減分を事業投資に回すと発表
- 業績が好調で、廃止理由が「効率化」であることが明確
逆に、業績悪化を理由に優待を廃止する場合は、株価が大きく下がる可能性があります。優待廃止の発表があったら、理由と配当政策をしっかり確認しましょう。
まとめ:2026年に向けて今からできる株主優待防衛策
株主優待を活用した家計節約術が、東証の上場維持基準強化により大きな転換期を迎えています。最後に、今からできる対策をまとめます。
すぐにやること(今週中)
- 保有銘柄が「改善期間該当銘柄リスト」に載っていないかチェック
- 時価総額と株価を確認して、危険度を判定
- 危険度が高い銘柄は、次の権利確定日後に売却を検討
1か月以内にやること
- 時価総額が大きく、業績が安定した代替優待銘柄を3〜5銘柄リサーチ
- 配当利回りも含めた「総合利回り」で投資判断
- 優待に偏りすぎたポートフォリオを見直し
継続的にやること
- 3か月ごとに保有銘柄の状況をチェック(改善期間リスト、時価総額、株価)
- 企業の適時開示情報(IR情報)で「上場維持基準への適合計画」の進捗を確認
- 優待廃止や変更のニュースに敏感になる
2026年以降の投資スタイル
株主優待は「なくなってもしょうがない」と割り切り、以下のバランスを意識しましょう。
- 安全性:時価総額が大きく(基準の5倍以上)、財務が健全な企業
- 収益性:配当利回り2%以上を目安
- 実用性:本当に使う優待を選ぶ(タンス優待は避ける)
- 分散性:1銘柄に頼りすぎず、複数の銘柄に分散
最終的に大切なこと
株主優待はあくまで「おまけ」です。企業の業績、配当、成長性など、本質的な価値を見て投資することが、長期的には家計を守ることにつながります。
2026年に向けて、賢く柔軟に対応し、大切な家計を守っていきましょう!
投資判断の際の重要な注意事項
- 本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の購入や売却を推奨するものではありません
- 投資判断は必ず最新の公式情報に基づいて、ご自身の責任で行ってください
- 株主優待の内容、配当、企業の業績は変更される可能性があります
- 投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があることをご理解ください

