クレジットカード会社は「計画的に支払いができる」という触れ込みでリボ払いをすすめてくることが多いですが、実際にメリットがあるのは利用者ではなく、リボ手数料が入ってくるカード会社のほうなんですよね。
ただし、カード会社がおすすめしてくるリボ払いにも、使うべきシーンというものがあります。それは一体どういうことなのでしょうか?
この記事では、キャッシングするよりもメリットがある「ローンとして使う」クレジットカードのリボ払いについて詳しくご紹介します。
借入れ手段としてのリボ払いの価値に注目
意味のないリボ払いは、真のムダとなります。たとえ持っているのがリボ払い専用カードであっても、日ごろはリボ払いを回避(リボ残高およびリボ手数料を発生させない)して使いたいものですよね。
しかし目的を持った借入れの手段としては、リボ払いはなかなか価値が高いものです。詳しく見ていきます。
リボ払いとキャッシングの金利を比較
お金を借りるのは悪いことではないものの、金利をきちんと押さえないとなりません。
ここでは、リボ払いとキャッシング・カードローンの一般的な金利を比較します。同じ土俵で比較する場合の注意点です。
金利の幅があっても、常に1番高い数字を見ること
■リボ払い
会員によって金利が変わることは多くない。カードにより変わる。
また、「30万円を30日借りた」ときの利息(手数料)も併せてご覧ください。
・消費者金融カードローン(限度額100万以下)
・一般クレジットカードのキャッシング
・一部のリボ払い(ヤフーカード等)
【15.0%】(3,698円)
・大多数のクレジットカードのリボ払い
・ゴールドカード等のキャッシング
・限度額100万円を超えているときのキャッシング、カードローン
【14.0~14.6%】(14.6%の場合3,600円)
・銀行カードローン
【13.2%】(3,254円)
・一部のクレジットカードのリボ払い(ビューSuicaリボカード、ビックカメラSuicaカード、NTTグループカード等)
【9.8%】(2,416円)
・三井住友カードリボスタイルのリボ払い
大多数のリボ払い(15.0%)は、キャッシングや消費者金融よりも低金利だということがわかります。
そしてリボ専用カードである三井住友リボスタイルなど、ずいぶんお得な金利設定もあります。金利が低くても、カードの審査が厳しいわけではありません。この金利の差を活用しましょう。
リボ払いは利息計算のスタートが違う
リボ払いがキャッシングより有利な点は、金利だけではありません。利息(手数料)の計算開始時期が遅い利点があります。
ショッピングをした日からではなく、多くのカードの場合、締め日または次の支払日から利息(手数料)が掛かります。多額の借入れの場合この差は大きなものとなります。
消費者金融カードローンにも「無利息期間」があります。これは利用開始後30日程度は利息を取らないサービスです。リボ払いにもこれに相当する期間があるというわけですね。
実際にリボ払いでお金を借入れする手段
クレジットカードのリボ払いが金利において、キャッシングより有利なことはおわかりいただけたでしょうか。
とはいえ、リボ払いはショッピングの支払方法であり、キャッシングのようにいきなりお金を借りることはできません。
ここからは、日ごろの準備も踏まえた借入れの手段を確認します。
(1)日頃からカード払いを多くしておく
リボ払いでお金を借りる可能性がある人は、カード支払い額を多く保っておくほうがいざという時に有利です。
もちろん、ムダな買い物が多いのはいけませんが、もっと堅実な方法があります。
公共料金や通信料金など、ほぼ毎月支払う料金の大部分を1枚のクレジットカードで支払っておくと、カード支払額が常に多い状態が作れます。最近では家賃のカード払いも増えてきましたね。
また、電子マネーやQRコード決済の支払元も、クレジットカードに集約していきましょう。
年に一度支払う自動車税や固定資産税等の税金も、Yahoo!公金等の専用サイトでクレジットカード払いをすると、その月のカード支払額が上がります。
これで準備OKです。
(2)1回払いをリボ払いに切り替える
お金が必要になった時には、リボ払いを活用する時です。毎月の多額のカード支払いが、ある月だけ少なければ手元にお金が残るので、お金を借りてこなくても大丈夫です。
支払いを少なくするためには、次のようにします。
会員用Webサイトで、「1回払い」の明細を「リボ払い」に変更する
■リボ払い専用カード
月々の支払額を、自分で低い額(カードにより異なるが、たとえば5,000円)に下げる
■一部のリボ払い専用カード(三井住友カードRevostyleや、JCB CARD R等)
毎月増額の手続きをして、リボ残高を残さないようにしていたのをやめる
最近は、多くのカードで利用後のリボ払い変更が可能となっています。
日ごろからリボ専用カードを使っている場合は、さらに簡単です。原則(リボ払い)と例外(1回払い)を意図的に逆転させていたのを、原則に切り替えればいいだけです。
例えばある月に25万円のカード利用があるとすると、月々の支払額を1万円のリボ払いにすれば24万円浮くわけです。足りなければ、次の月もリボ払いにします。
リボ払いの評判が悪い理由である「いつの間にか借金が増えていく」使い方とはまったく異なり、計画性があります。
応用編:キャッシングをリボ払いに振替
キャッシングよりも、リボ払いのほうが低金利の可能性が高いことを先に述べました。
既存の借入れについては、利息負担を少なくするためリボ払いを活用する方法も考えられます。方法論は変わりません。
リボ払いに切り替えて浮いたお金を、既存のキャッシングやカードローンにへ随時返済すればいいのです。
リボ払いを活用する上での注意点
リボ払いのメリットについて紹介してきましたが、ここでは借金としてのリボ払いの注意点も見ておきましょう。
それがこちら。
- ショッピング限度額、リボ払い限度額を超えないこと
- リボ払いを増やし続けないこと(適切な時点で、リボ設定を解除する)
- ポイント狙いのリボ活用は避けること
カードローンを限度額の範囲内でしか使えないのと同様、リボ払いにも限度額があります。限度額は2段階あるので、低い方(リボ払いの限度額)に気を付けてください。
それから、お金の必要性が解消したらリボ残高をそれ以上増やさないようにしなければなりません。これができないとリボ払いの悪い使い方となりますので、毎月の支払いを1回払いに戻しましょう。
最後に、ポイントの誘惑について。リボ払いにするとポイントが2倍になるカードも多数ありますが、ポイントが倍になったぐらいではリボ払いの手数料と比べたとき割が合いません。
以上によく注意してくださいね。
リボ払いも借金同様、随時返済は大事
上手なリボ払いの活用をすると、低金利の借り入れが無事できます。
ただしこれからが肝心で、この先の心構えはカードローンの場合と変わりません。
できたリボ残高を明確に借金だと意識して、積極的に減らしていかなくてはなりません。余裕ができた時にはすぐに返済していきましょう。
返済の方法は次の通りです。
- ATMや振込みで直ちに返済
- 次回請求額を増額する
直ちに返済するほうが、リボ残高の元本が直接減っていくので効果が高いものです。銀行系カードはATMでの返済ができることが多いです。エポスカードやビューカード等、専用ATMの多いカードも可能です。
それ以外のカードでは、随時返済は振込みとなります。オペレーションセンターに電話して、何日にいくら支払うと断ったうえでの振込み(手数料利用者負担)となるため、少々面倒です。
それでも、借金を減らす意識づけは重要です。
リボ払いも上手に活用すれば便利なサービス
一般的に悪者扱いされがちなリボ払いについて、この記事では効果的な活用法をお伝えしました。
ただし、多少有利といっても借金には違いなく、その点は常に意識するようにしましょうね。また、積極的な返済も忘れずに!