初詣や二年参り、厄除け、合格祈願、御礼参りなど、さまざまな理由から神社に行く機会があると思います。特に冬から春にかけては、初詣や合格祈願などの理由から訪れる方が増える時期になります。
神社での参拝の際に欠かせないのが「お賽銭」ですよね。このお賽銭、みなさんはいくら納めていますか?
縁起の良い金額、語呂合わせの金額などを納める方が多いかと思いますが、毎回のように「いくら納めれば良いんだっけ?」など考えてしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、「お賽銭」についての意味や縁起の良い金額と避けたほうがいい金額、参拝時の基本マナーなどについてご紹介します。参拝のご予定がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
お賽銭の意味
お賽銭とは、「神様や仏様に捧げるお金」のことです。お願い事が成就した時や日頃の感謝の気持ちをお伝えするために納めます。
お賽銭の「賽」という字には、「神から福を受けたことに報い祭る」という意味があります。神様や仏様から受けた恩恵に対してお金や物でお礼をする、ということですね。
昔はお金ではなく、物品のお供え物(米、布など)を納めていたようですが、いつの頃からかお金を納めるようになりました。
ここで大事なのは、「神様や仏様にお願い事を成就してもらう」という気持ちでお賽銭を納めてはいけないということ。本来は「神様や仏様に感謝を伝える」ことであるため「いつもお守りいただきありがとうございます」といった感謝の気持ちで参拝するのが基本です。
お賽銭はいくらがよいのか
では、納めるお賽銭はいくらが良いのでしょうか。
ご縁に恵まれますようにといった理由から「5円」を納める方は少なくないと思います。お賽銭には穴があいた硬貨は見通しが良いという説もあるので、そういった理由から「5円」は有力候補ですね。
また、縁起が良いとされる「語呂合わせができる金額」を納める方も多いでしょう。ただし、金額の語呂合わせ効果はあくまで迷信とされているので、お賽銭にはご自身が納得のいく金額、そして無理のない金額を納めることが望ましいでしょう。
では、ここからは「縁起の良い金額」と「避けたほうが良い金額」についていくつかピックアップしてご紹介します。お賽銭をいくらにしようかな…と悩んでいる方は、参考にしてみてください。
縁起の良いお賽銭の金額
まずは、縁起が良いとされるお賽銭の金額から。
「5円」はさまざまな理由から含まれることが多いですね。お賽銭の金額は定められていないため、ご自身がピンとくる好きな金額を納めましょう。
お賽銭 | 硬貨 | 意味 |
5円 | 5円玉×1枚 | ご縁がありますように |
10円 | 5円玉×2枚 | 重ね重ねご縁がありますように |
11円 | 5円玉×2枚 1円玉×1枚 | いい縁がありますように |
15円 | 5円玉×3枚 | 十分なご縁がありますように |
29円 | 5円玉×5枚 1円玉4枚 | 福がありますように |
41円 | 5円玉×8枚 1円玉×1枚 | 始終いい縁がありますように |
45円 | 5円玉×9枚 | 始終ご縁がありますように |
115円 | 100円玉×1枚 10円玉×1枚 5円玉×1枚 | いいご縁がありますように |
415円 | 100円玉×4枚 10円玉×1枚 5円玉×1枚 (または5円玉×83枚) | よいご縁がありますように |
485円 | 100円玉×4枚 10円玉×8枚 5円玉×1枚 (または5円玉×97枚) | 四方八方ご縁がありますように |
10円玉は「遠縁」を意味することからお賽銭には含めないほうが良いとされていますが、一方で白い硬貨、赤い硬貨、穴が空いた硬貨を組み合わせると思いが届きやすいとも言われていますので、そういった意味から組み合わせるのは良いでしょう。
- 白い硬貨 =1円玉、100円玉、500円玉
- 赤または黒い硬貨=10円玉
- 穴が空いた硬貨=5円玉、50円玉
そう考えると115円は、100円玉(白い硬貨)、10円玉(赤い硬貨)、5円玉(穴が空いた硬貨)が含まれるのでなかなか良さそう。
また、11円、29円、41円などは割り切れない金額であることから、恋愛や夫婦円満といった面で縁起が良いとも言われています。
避けたほうが良いお賽銭の金額
次に、できれば避けたほうが良いとされるお賽銭の金額です。
意味を見ていただくと一目瞭然かと思いますが、自然と「この金額は入れないようにしよう」と感じるでしょう。参拝に行く前には、お財布の小銭をよくチェックしてから以下の金額にならないようにしたいものですね。
お賽銭 | 意味 |
10円(10円玉×1枚) | 遠縁 |
33円 | 散々な1年になる |
65円 | ろくなご縁がない |
75円 | 何のご縁もない |
85円 | やっぱりご縁がない |
95円 | これでもご縁がない |
500円(500円玉×1枚) | これ以上効果(硬貨)がない |
ちなみに、1万円や5千円はどうなの?と思う方もいらっしゃるでしょう。
お賽銭には金額の高い低いは関係ないので、気持ちを込めた金額であればいくらでも大丈夫です。
高額を納めても問題はないですが、1万円や5千円をお賽銭として納めるのなら、ご祈祷(お祓い)を受けてみても良いでしょう。
神社での参拝手順やマナー
お賽銭の金額は決まりましたか?
金額が決まったら、参拝までに小銭の準備をしておきましょう。しっかりと準備をして丁寧に参拝することで、思いも届きやすくなるかもしれません。
では、参拝までに把握しておきたい参拝の手順やお祈りする内容、注意点などをおさらいしておきましょう。
参拝手順
神社は神様の領域とされていますので、敬意を払いながら参拝することが大切です。
神社には参拝手順を掲示していないところも多々あり、どういった手順で参拝すればいのかわからないこともあるでしょう。周りを見渡してキョロキョロするのも恥ずかしいですしね。
ここからは、一般的な神社での参拝手順をご紹介します。
(1)鳥居をくぐる前に一礼
神社の玄関口でもある鳥居の前で一礼をします。鳥居には神社の内と外を分けるという意味で設置されており、鳥居をくぐる前に一礼するのがマナーです。
くぐったら、参道の端(左右どちらでもOK)を歩きましょう。参道の真ん中は「正中(せいちゅう)」と呼ばれる神様の通り道とされているためです。
(2)手水舎で手や口を清める
参拝する前に、入口付近にある手水舎(てみずや)で手や口を清め、心を落ち着かせます。
- 右手で柄杓(ひしゃく)を持ち水を汲み、左手を清める
- 柄杓を左手に持ち替えて、右手を清める
- 柄杓を右手に持ち直し、左手の平で水を受け、口をすすぐ
- 水の入った柄杓を立てて持ち手を洗い、元の位置に戻す
(3)鈴を鳴らしてお賽銭を納める
手や口を清めたら、参道の端を歩き社(やしろ)へ向かいます。
お賽銭箱の前に着き、上部に鈴があれば鳴らしましょう。鈴の音色で参拝者を祓い清め、神様や仏様の発動を願うものと考えられています。
そのあとにお賽銭箱へお賽銭を納めますが、この時に乱暴に投げないよう気をつけ、心を込めて丁寧に入れることが大切です。
(4)「二礼二拍手一礼」の順でお参り
お参りをする際は、「二礼二拍手一礼」が基本となります。
- 深いお辞儀を2回行う(二礼)
- 胸の前で2回手を打つ(二拍手)
- 合掌して(両手を合わせて)お祈り
- 深いお辞儀を1回行う(一礼)
お参り時のポイントとして、二拍手の時は右手を少し自身の体に引き寄せてずらし、手を合わせます。そしてお祈りの時は、両手をしっかり揃えること。
ただし、神社によって参拝方法が異なる場合もあるので、境内の案内なども確認するようにしましょう。
お祈りする内容
お参りの際には、合掌して(両手を合わせて)お祈りをするとお伝えしました。ではこの時、どうやってお祈りするのが良いのかをご紹介します。
両手を合わせてお祈りする際には、以下の流れでお伝えします。
- 自分の名前
- 生年月日
- 住所
- 感謝の気持ち
このように、どこの誰がお参りにきたのかをお伝えします。その後、感謝の気持ちを伝えます。そうすることで神様や仏様に思いが届きやすくなると言われています。
参拝する際の注意点
上記でお伝えした内容にも含まれていましたが、参拝時の注意点をまとめておきますので、神社に行く際は覚えていってくださいね。
- 鳥居をくぐる前と神社から退く際の一礼は必ず行う
- 参道は真ん中ではなく端を歩く
- お賽銭はお賽銭箱に乱暴に投げつけない
- 全ての行いに対して心を込めて丁寧に
あらゆることに感謝し気持ちを込めてお参りしよう
神社へ参拝する前に本記事の内容を読みおさらいしておくことで、基本的な手順に迷わず落ち着いてお参りができると思います。
神社によっては、参拝方法が異なることもありますので、ご紹介した内容はごく一般的なものととらえていただけたらと思います。例として、出雲大社は「二礼二拍手一礼」ではなく「二礼四拍手一礼」だったりしますので。
近年では、スマホなどでサクッと簡単なお支払いができるキャッシュレス決済を利用する人が増え、便利な世の中になりました。お賽銭に関しても、スマホのQRコード決済などで納めることができる神社が増えてきたようです。いわゆる「キャッシュレス初詣」なども増えていくのでしょうか。
現金を使うことが少なくなった時代とはいえ、「お賽銭は現金で納めたい」といった方は多いかと思いますので、本記事が参拝時のお役に立てましたら幸いです。