4月から新生活を新しい土地で始める人も多いでしょう。期待いっぱいの新生活の前にやらないといけないのが、引越しです。
2月、3月の同じ時期に多くの人が日本中を移動するため、引越しの手配は早めにする必要があります。引っ越し料金の最も高い時期でもあります。とはいえ、慌て過ぎて失敗するのもいけませんね。
引越しの際、最低限すべきことが何なのか、何を重視してプランを決めたらいいのか、その他の手続き等についてこの記事でご確認ください。
引越し決定…まずは何をしたらいい?

進学、人事異動、Uターンなど、さまざまな理由で引越しの必要があります。
引っ越す人数(単身から大家族まで)や家具の量など、引越しの規模は大小さまざまですが、しなければならないことはおおむね共通しています。
ひとつずつ確認しましょう。手順は、並行して進める必要があります。
新居を探す
引っ越す土地だけ決まっていて、家がない状態の人も多いでしょう。お部屋探しからのスタートです。実際に現地に行ってみるのは大事です。現地に行かないとわからない情報も間違いなくあります。
とはいえ忙しいのに何度も出向くのは大変です。家賃相場等の情報を得るだけなら、ネットでも可能ですし、不動産屋の口コミなども調べておいて損はありません。
Google Streetを使えば、転居先がどんな場所なのか、ある程度目星も付けられます。現地の不動産屋に行く前に、調べられる情報はできるだけ仕入れておきましょう。
現在の賃貸借契約を解除する
新居が決まったら、現在の住居の賃貸借契約を解除しなければなりません。通常は、退去の1か月以上前に解除の告知をしないと、余計な賃料が発生してしまいます。
引越しの日程を決める
数多い引越しの準備がある中で、引越しの日は最優先で決めてしまったほうがいいでしょう。日程を決めないと見積もりも取れません。
ただ、実際に引っ越す日は、最大1週間程度の幅を持たせておいたほうがいいでしょう。希望日に依頼したい業者が対応できないこともあります。
また平日のほうが料金が安いなど、数日ずらすことで少しでもおトクになる余地もあります。妥協できるところはしたほうが、結果的に安くなります。
引越し業者の見積もりを取る
日程を決めたら引越し業者から見積もりを取りましょう。
見積もりのため最低限必要な情報は次の通りです。
- 現住所
- 新住所
- 引越し時期
- 人数
上記の情報があればおおまかな価格がわかります。
見積もりは複数の業者を見比べる必要がありますが、この、点引越業者比較サイトを使うと簡単で、複数の業者の見積もりが同時に入手できます。このようなサービスのひとつ、SUUMOについては後述します。
比較して業者を数社に絞り込んだ後、さらに精密な見積もりを取るためには、業者に自宅に来てもらう必要があります。ただし、昨今はオンライン見積もりなど、専用アプリで写真を撮って送るだけで対面せずに完結する方法もあります。
引越しプランを決める
見積もりを取り、業者を選定するのと前後して、自分たちでどこまで引越し作業をするかを決めておきましょう。
業者の担当する項目が多ければ多いほど、料金も高くなります。業者によりますが、プランはおおむねこのように分かれます。
- 荷造り、荷解きすべてを業者が担当
- 荷造りまで業者が担当
- 業者は運送のみ
どのプランを選ぶかは、引越すご家族がどこまで準備に時間を掛けられるかという問題でもあります。業者に任せる部分が多いほど、引越しに掛ける時間は少なくて済みます。
なおエアコン移設は通常、有料オプションになります。新居に持っていく場合、これも忘れないようにしましょう。
持ち運ぶもの・処分するものを決める

日程を決め、見積もりを取ったとしても、新居に持っていくものを確定しないと金額も確定しません。メルカリ等のフリマアプリで不用品の処分が容易になりましたので、処分する家具等を少しでもお金に替えられれば助かります。
とはいえ一つ一つ売却するのも大変です。
処分品が多くなる場合、引越業者に有料で処分してもらうことも考えましょう。自治体の粗大ごみに出す場合は、回収してもらう日時を決める必要があるので、早めに連絡しましょう。

電気・ガス・水道の移転手続きをする
引越しによる住所の変更は、携帯電話やクレジットカード、銀行や運転免許証など多くのツールに影響しますが、これらについては引越し後の届出でも大丈夫です。
これらよりも優先度の高い手続きがあります。それは、引越後すぐに使う必要のある生活インフラです。電気、ガス、水道は早めに手続きを済ませましょう。
水道は多くの場合、解約と、移転先での新規申込になります。なお電気とガスは自由化されているため、引越し先で新たな業者を選ぶことができます。
料金面だけでなく、多くの新電力、新ガス会社でキャンペーンを実施していて、キャッシュバックやポイントバック、契約当初の料金免除などのサービスがあります。
臨時収入が得られるチャンスなので、時間を取れる人は広く情報を集めることをおすすめします。

インターネット回線の移転手続きをする
続いて大事な生活インフラは、インターネット回線です。
優先度は電気やガスなどよりやや落ちそうですが、通信業者の数が多いインターネットについては、考えるべきことが次の通り非常に多いのです。
- 移転するか、新規契約するか
- 従前の回線が移転可能か(ケーブルテレビや電力系等インターネット回線の場合、広域移転は不可)
- 新規の場合、古い回線の違約金(最大2万円程度)で損をしないか
- 新規の場合、どの業者、代理店、特典(キャッシュバックや初回利用料無料など)を選ぶか
引越前に回線を自宅に引いていた人は、新居に回線がないと大きなストレスになります。移転で解決する場合、早めにプロバイダーに移転の手続きをしましょう。

転出届も忘れずに行う
引越の準備ができたら、お住まいの自治体に転出届を出しましょう(同じ自治体内の場合、転居届)。一部自治体では、マイナンバーカード保有者はオンラインで手続き可能です。
そうでない人は、引越前に一度市役所等に出向く必要があります。引っ越してしまってからでは大変です。転出証明書をもらい、新居のある自治体に原則14日以内に転入届を提出しましょう。

引越し業者をどう選ぶ?

引越し業者も数多くあるので、どれにするか決めるのも大変です。価格に関しては、比較サイトで同時に見積もりを取れば最安値がわかります。
最安値にすると決めておくならそれでいいのですが、価格以外の部分も気になるでしょう。ここからは、引越し業者の大手・中小それぞれのメリットについて確認していきます。
大手引越し業者のメリット
テレビCMでおなじみの大手から、小さな会社まで引越し業者もさまざまです。もちろん業者ごとに個性があるわけですが、おおまかに大手業者と中小業者でサービスの傾向が違うので、その点から見てみましょう。
- 引越し対応不可の地域が少ない(海外対応の業者もある)
- 料金は高めの傾向
- プランが豊富で、楽をしたければ業者に丸ごと委ねられる
- ダンボール他、梱包資材無料などのサービスオプションが充実
中小引越し業者のメリット
大手業者のデメリットは、中小のメリットの裏返しです。中小業者の場合、なんといっても安いのが魅力です。
- 料金は大手より安い
- 地域に密着している
- サービス内容はバラバラだが、大手のノウハウを活かした業者も存在する
ただし価格を追求するサービスの性質上、利用者によっては事務的に感じる部分もあるかもしれません。ダンボール無料などのサービスオプションはないことも多いです。
価格を優先して中小業者を選ぼうとすると、引越先に営業所がないなどの理由で断られることがある点、気を付けましょう。
こだわりの業者選び:キャッシュレス対応業者
引越し代金の支払いは、原則は「荷物運搬時に現金払い」ですが、忙しい引越し時に現金を用意するのも大変ですよね。
幸い、キャッシュレスに対応している引越し業者も増えています。クレジットカードの扱いは大手が多いですが、中小業者にも探せばあります。
中小でも、PayPay等QRコード決済に対応している業者は多く存在します。キャッシュレス決済したい場合、見積もりを取る際に確認しておきましょう。
引越し業者の料金相場一覧

引越し業者の料金相場を見てみます。SUUMOの公式サイトより料金相場を引用します。
料金を公式サイトに載せている業者は少なく、業者ごとの具体的な価格差を見るためには、見積もりを取る必要があります。
▼2~4月の繁忙期「単身者」の引越し価格相場
移動距離 | 荷物小 | 荷物大 |
全平均 | 51,479 | 74,430 |
15km未満 | 41,643 | 58,037 |
50km未満 | 47,046 | 62,733 |
200km未満 | 50,640 | 82,151 |
500km未満 | 57,666 | 95,646 |
500km以上 | 68,640 | 117,857 |
▼2~4月の繁忙期「家族」の引越し価格相場
移動距離 | 2人家族 | 3人家族 | 4人家族 | 5人家族以上 |
全平均 | 97,915 | 123,358 | 155,096 | 209,993 |
15km未満 | 77,105 | 98,682 | 121,838 | 148,848 |
50km未満 | 88,676 | 112,420 | 141,978 | 191,858 |
200km未満 | 115,353 | 143,949 | 176,781 | 255,457 |
500km未満 | 150,972 | 193,537 | 239,650 | 335,429 |
500km以上 | 210,619 | 271,526 | 306,554 | 375,843 |
大手業者と中小業者でも個別の料金は違います。大手は中小の3割増し程度と考えておきましょう。
引越し業者を見つけるおすすめの方法
引越しの準備や流れ、引越し業者の料金相場などが確認できたら、実際に業者を探してみましょう。とはいえ、引越し業者は大手から中小規模のサービスまで数え切れないほど存在します。
最後に引越し業者の探し方を2つ紹介しますので、ご自身にあった方法でよりよい業者を探し、新生活の準備をしてくださいね。
見積もりサイトを使って業者を探す
SUUMOはリクルートの運営する不動産総合サイトとしておなじみです。マリモのような一頭身のマスコットキャラクター「スーモ」もよく見かけるでしょう。
SUUMOから見積もりを請求すると、便利なだけではなく料金も安くできます。引越し関係のコラムも豊富に載っていますので、コラムを参考に引越し準備をするのもおすすめ。

価格 | 無料 |
使い方 | 「無料 見積もりはこちら!」のフォームから必要事項を入力するだけで数社の業者に関する情報が届きます。 |
ポイント | 複数の引越し業者に一括見積もりを請求して比較できます。さまざまな規模の業者について口コミ情報を見て選べるのも便利。 |
AIによるマッチングで近くの引越し業者のプロを探す
他にも、無料で引越し業者を紹介してくれる「Zehitomo」というサービスがあります。引越し業者はもちろん、さまざまなサービスのプロと繋いでもらえるサービスで、利用者のお住まいや希望などから近くの業者とマッチングすることが可能となります。
Zehitomoの利用自体は無料。気になる引越し業者があれば直接連絡をとり、見積もりを出してもらいます。提示された条件で問題なければ契約へ。事前に金額などの条件を提示されるため明瞭会計で安心!
もし条件に納得がいかなければ無理に契約する必要はありません。ぜひお気軽に試してみてくださいね!

価格 | 無料 |
使い方 | 簡単な質問に答えると、近くの引越し業者のプロをAIが検索し、利用者と繋いでくれます。 |
ポイント | Zehitomoのサービス利用料は無料。マッチング後は、どんな条件で依頼ができるのかを業者のプロと事前に確認ができるのも安心。 |