以前は選択肢が少なかった携帯電話会社も、続々と格安スマホのプロバイダーが登場したことで、今ではどのプランにするべきか迷うほどに充実しています。そんな中で通信大手もお得な料金プランを設定して、格安スマホ市場に参入しました。
しかし今度は選択肢が多くなりすぎて、携帯キャリア選びもひと苦労です。キャリアの乗り換えを考えても、なかなか1つに決められないかもしれません。
そんな皆さんのために、今回の記事では大手携帯キャリア4社にしぼり、それぞれの特徴と料金プランを比較してみました。毎月のスマホ代節約の参考にしてくださいね。
大手携帯キャリア4社、格安料金プランの特徴
新しいキャリアへの乗り換えを検討するなら、それぞれのサービス内容を比較して、自分の使い方に合ったキャリアを選ぶ必要があります。
しかし各社のサービスは複雑で、どれが自分に合っているのか判断ができないかもしれません。ここでは、なるべく分かりやすく4つのキャリアの特徴を比較します。
ahamo
NTTドコモの格安スマホ版がahamoです。料金プランは非常にシンプルで、1ヵ月分税込2,970円。これで毎月20GBまでデータを利用できて、国内通話も1回5分までなら無料です。もしも20GBの容量を超えてしまった時には、1GBあたりプラス550円(税込)で追加する仕組みです。
ahamoはドコモの5G/4G(LTE)通信エリアをそのまま利用できるため、電波状況や通信エリアに関しては非常に信頼性が高いと言えるでしょう。もちろん時間帯による速度制限などもありません。しかも各種サービスやサポート体制でも、高く評価されているので安心して使用できます。
ただし、ahamoの料金プランは1つのパターンしか選択できません。そのためデータ使用量が少ない人の場合、一律料金ではムダが多いかもしれません。
毎月20GB前後のデータ使用量で、ドコモの信頼性をメリットに感じる人にとっては最適なプランになるでしょう。
- 月額税込2,970円プラン(データ20GB、国内通話1回5分無料)
- ドコモの5G/4G(LTE)通信エリアを利用
- サポート体制が高評価のため信頼性が高い
LINEMO
LINEMOはソフトバンクグループの格安スマホサービスです。料金プランは2つから選択できて、20GBまでデータを使える通常のプランは、他社とほぼ同額の月額税込2,728円です。さらに現在はミニプランが追加されて、3GBまでなら月額税込990円で利用できます。
さらに「LINEギガフリー」という独自のサービスがあり、LINEアプリのトーク、音声通話、ビデオ電話が使い放題です。
LINEギガフリーで使ったデータはカウントされないため、3GBと20GBというプランのデータ容量には影響せず、通信速度制限がかかるようなこともありません。LINEをよく使う人にはベストな選択ではないでしょうか。
他のキャリアから乗り換えすると、10,000円相当のPayPayポイントがもらえたり、LINEのサービス特典が使えたりなど、LINEMOオリジナルのキャンペーンもお得です。ソフトバンクのサービスがベースになっているので、細かい点まで行き届いたサービスを受けられることもメリットになるでしょう。
- 料金プランは2種類(月額2,728円、月額990円)
- 「LINEギガフリー」でLINEのサービスが使い放題
- PayPayポイントがもらえるキャンペーンもお得
楽天モバイル
楽天モバイルの特徴は、毎月使ったデータ量に応じて支払う料金が変わること。動画やゲームを頻繁に利用する人も、それほどデータを使わない人も、これなら1つのプランでベストな利用法が可能になるでしょう。
例えばデータ上限を気にせず使いたい人は、1ヵ月データ無制限の使い放題でも税込3,278円です。反対にデータ使用量が少なければ、1ヵ月3GBまでなら税込1,078円です。
このようにデータ使用量によって料金が4段階に分かれており、毎月使った分だけ支払えばよいので、コスト節減にはもってこいでしょう。
また楽天モバイルはキャンペーンも豊富で、iPhone購入で他のキャリアから乗り換えする場合、楽天ポイントがもらえることも。それ以外の機種でも、モデルに合わせてポイントが還元される仕組みです。
しかも楽天カードなどと連携したキャンペーンもあり、乗り換え時にさまざまな特典がつくことも楽天モバイルのメリットです。
- 各月の使用データ容量によってプラン料金が変わる
- 3GBまでなら月額1,078円
- ポイント還元や楽天カードとの連携キャンペーンも豊富
povo
KDDIの格安スマホサービスがpovoです。povoは他のキャリアとはちょっと違う「トッピング」というサービスを提供しています。基本料金は0円で、そこにデータトッピング、コンテンツトッピング、通話トッピングなどを追加して料金を決める仕組みです。
例えば、1ヵ月に3GBのデータをトッピングすると税込で990円、20GBのデータでは税込2,700円となり、他のキャリアのプランとほぼ同じ金額です。しかしpovoでは最大で150GBまでのトッピングが準備されていて、この場合180日間で税込12,980円と、1ヵ月に換算すると約2,200円にまでお得になります。
さらにpovoには「ギガ活」というポイントシステムがあり、提携するショップやサービスを利用すると、ポイントの代わりにデータがチャージされます。
つまり、買い物や食事のたびに使えるデータが増えるということに。これは他のキャリアにはないpovo独自のお得なサービスです。
- 基本料金0円で、好きなトッピングを追加する料金システム
- 150GB(180日間)のトッピングは1ヵ月換算で約2,200円
- 「ギガ活」で買い物や食事のたびにデータがチャージされる
データ容量ごとの料金プラン比較
他社に乗り換える前に、「スマホで使用するデータがどのくらいなのか」や「それぞれのデータ容量で使用できる時間がどのくらいなのか」など、大まかな目安を算出してみましょう。
まず動画視聴は画質によっても異なりますが、平均すると1時間あたり300MBを消費します。同じようにネット閲覧は1回あたり300KB(0.3MB)、音楽のストリーミングサービスは1時間あたり80MBです。メールやLINEで消費されるデータは、わずか数KBなので、ほとんど考慮しなくてもよいでしょう。
これらの平均値をもとにした、それぞれのデータ容量で使用できる時間や回数の目安は以下のとおりです。さらに、各キャリアのプラン料金も比較してみてください。
~1GBまで
■使用目安
・動画視聴:約3時間30分
・ネット閲覧:約3,300回
・音楽再生:約12時間30分
ahamo | 設定なし |
LINEMO | 設定なし |
楽天モバイル | 設定なし |
povo | 7日間390円(税込) |
~3GBまで
■使用目安
・動画視聴:約10時間分
・ネット閲覧:約10,000回
・音楽再生:約37時間30分
ahamo | 設定なし |
LINEMO | 月額990円(税込)ミニプラン |
楽天モバイル | 月額1,078円(税込) |
povo | 30日間990円(税込) |
~10GBまで
■使用目安
・動画視聴:約33時間30分
・ネット閲覧:約33,000回
・音楽再生:約125時間
ahamo | 設定なし |
LINEMO | 設定なし |
楽天モバイル | 設定なし |
povo | 設定なし |
~20GBまで
■使用目安
・動画視聴:約67時間
・ネット閲覧:約66,000回
・音楽再生:約250時間
ahamo | 月額2,970円(税込) |
LINEMO | 月額2,728円(税込)スマホプラン |
楽天モバイル | 月額2,178円(税込) |
povo | 30日間2,700円(税込) |
無制限
動画を高画質で視聴する場合、480pでも1GBでは3時間程度が限界です。ゲームに関しては、通常の動画よりも多くのデータを消費します。
動画やゲームでスマホを多く使う人には、データ無制限プランをおすすめします。ネットの閲覧が中心の人は、低容量のプランにしたほうがお得になるかもしれません。
ahamo | 月額2,970円(税込)+20GB超過~550円/1GB |
LINEMO | 月額2,728円(税込)スマホプラン+20GB超過~550円/1GB |
楽天モバイル | 月額3,278円(税込):データ無制限 |
povo | 60GBは90日間6,490円(税込)、150GBは180日間12,980円(税込) |
通話がお得な料金プラン比較
最後に、通話する場合の料金プランも比較しておきます。それぞれの通話料金は以下のとおりです。
ahamo | 1回5分以内の国内通話は無料 |
LINEMO | LINEギガフリーでLINE通話かけ放題 |
楽天モバイル | Rakuten Linkのアプリ使用で国内通話かけ放題 |
povo | 通話かけ放題:月額税込1,650円 5分以内かけ放題:月額税込550円 |
自分の使用用途にあった料金プランを選ぼう
現在のスマホ業界にはさまざまな通信事業者が参入していて、独自のサービスと料金プランを設定しています。その中で今回は4つのキャリアを比較してみましたが、動画視聴などで大容量のデータを使う人は、定額で使い放題の楽天モバイルを選ぶとよいでしょう。ネット閲覧が中心で3GBまでならLINEMOとpovoがおすすめです。
料金で比較するとahamoが不利にも思えますが、NTTドコモのサービスがベースにあることを考えれば、ahamoには高い信頼性というメリットがあるかもしれません。スマホは人それぞれに使い方が異なります。一度自分の使用用途を確かめて、最も自分に合ったプランを選んでみてください。