「毎月の医療保険代が家計を圧迫している」
「医療保険って加入しないといけないの?」
など、お困りの人も少なくないでしょう。日本は医療保険に加入している人の割合が多い傾向です。しかし、わざわざ医療保険に加入しなくても大丈夫な人がいることをご存知ですか?
この記事では、「医療保険が必要・不要な人の特徴」「公的医療保険について」など解説します。医療保険についてわからないことが多い人は、ぜひ参考にしてください。
民間の医療保険ってなに?
保険は3つの分野に分かれていて、医療保険は第3分野に分類されます。
- 第1分野:人の生死に関わる生命保険(定期保険、終身保険など)
- 第2分野:偶然の事故による損害をカバーするための損害保険(自動車保険、火災保険など)
- 第3分野:第1分野と第2分野の中間に位置する保険(医療保険、がん保険など)
第3分野の保険は、国が提供している公的医療保険ではカバーできない部分を補うための保険になります。
そのため、加入義務はありません。自分に必要な保険だけを組み合わせたり、加入しない道を選んだりすることも可能です。
しかし、不安だからといって1から10まですべての保険に加入する必要はありません。自分にはどの保険が必要か見極めてから加入するようにしましょう。
医療保険は必要?
医療保険に加入していないと不安で、とりあえず加入している人も少なくないでしょう。
しかし、医療保険に日本国民全員が加入する必要はありません。必要な人と不要な人に分けられるので、自分は医療保険への加入が必要か見極めてみてください。
医療保険が必要な人の特徴
医療保険が必要な人の特徴は下記の通りです。
- 貯蓄がない人
- 家族が増えた人
- 目的のある貯蓄を崩したくない人
- 収入減少する予定の人
- 会社員以外の個人事業主や専業主婦(夫)の人 など
まず、貯蓄がまったくない人は医療保険に加入したほうがいいでしょう。公的医療保険でカバーできる範囲の病気や事故ならいいですが、治療費が高額になってしまったとき支払えない可能性がでてきます。
また、家族が増え、これからマイホームの購入や出産などを控えている人は出費が増えます。すでにマイホームの頭金や教育資金の準備が終わっている人なら医療保険は必要ありませんが、まだの人は医療保険に入っていたほうが安心でしょう。
さらに、個人事業主の人は会社員の公的医療保険と比較すると保障内容が手薄になります。会社員は、育児休暇中や療養中も手当金が出るため、生活レベルによっては公的医療保険だけで十分な場合もあります。
しかし、個人事業主にはそのような制度は適用されないので、民間の医療保険を検討したほうが安心です。
また、世帯主の収入が不安定な専業主婦(夫)も、何かあったときのために民間の医療保険に加入しておいたほうが治療に専念できるでしょう。
医療保険が不要な人の特徴
一方、医療保険が不要な人は、必要な人の特徴の反対になります。
- 貯蓄が十分にある人
- 会社で医療保険に加入している人
- 独身、または共働きで子どもがいない人
- 不労所得が十分にある人 など
貯蓄が十分あり、治療費や療養中の生活費までカバーできる人は医療保険に加入する必要はないでしょう。
また、会社の福利厚生で医療保険に加入している場合は個人で加入する必要性は低いです。しかし、保障内容にどうしても足りない部分があるときは、追加で加入するようにしましょう。
独身の人で治療費や生活費をカバーできる貯蓄がある人は、結婚・出産するまでは医療保険の加入を検討しなくて大丈夫です。
さらに、結婚していても共働きでお互いの収入が安定している場合は、必要ない場合もあります。夫婦で本当に必要か話し合ってみてください。
最近は投資をする人も増え、貯蓄は少ないけど、不労所得がある人もいます。そのため、安定した不労所得があり、生活費から治療費までカバーできる場合は医療保険に加入する必要はないでしょう。
公的医療保険とは?
日本の公的医療保険は他国と比べて保障が手厚い傾向です。
例えば、アメリカでは救急車で搬送されるだけで何十万円とお金がかかります。日本で暮らしている私たちには驚きですよね。それ以外にも日本の公的医療保険は充実しているので、民間の医療保険に加入する必要がない場合もあります。
しかし、日本人は医療保険に加入している人が大半。なぜなら、公的医療保険の保障内容を知らない人が多いからです。必要な保険を見極めるためにも、公的医療保険でなにが保証されるのか確認しておきましょう。
今回は下記の3つを説明します。
- 健康保険制度
- 高額療養費制度
- 傷病手当金
ぜひ、参考にしてください。
健康保険制度である程度カバー可能
日本では、公的な健康保険に加入しなければいけません。会社員であれば「健康保険」、会社員以外は「国民健康保険」に加入義務があります。
保険料も比較的高額ですが、この保険のおかげで病院に行ったときは治療費が3割負担だけで済んでいます。健康保険が適用される治療であれば入院や手術費も3割負担だけです。
しかし、個室代や差額ベット代などは自費になるので、含まれないものは何か把握しておく必要があります。
このように、健康保険である程度カバーできるので「3割負担分と差額代、療養中の生活費など」が貯蓄できている人は民間の医療保険に加入する必要はないでしょう。
高額療養費制度で支払額が一定に
高額医療費制度とは、支払額が一定額を超えた場合、その分を健康保険が負担してくれる制度です。収入によって、負担する額は変わりますが、平均的な収入の人は「8万円+α」の場合が多いです。
例えば、治療費に50万円かかった場合、自己負担額は3割の15万円です。そこから「8万円+α」を超えた約6万円を健康保険が負担してくれます。(後日払い戻し)
高額療養制度を理解していれば、いきなりの入院や手術も安心して受けられますね。
傷病手当金で働けなくなっても安心
傷病手当金は、会社員が加入している健康保険のみ保障してくれる制度です。国民健康保険の人は残念ながら利用できないので、注意しましょう。
傷病手当金とは、病気で働けなくなった場合に生活を保障してくれる制度のことです。療養中に一生支給してもらえるわけではありませんが、支給期間は1年6ヵ月と比較的長期です。
支給される額は収入によって変わりますが、働けない間も収入があるのはうれしい制度です。
死亡保険は必要ない?
死亡保険とは、冒頭で説明した第1分野にあたる生命保険の部分です。死亡保険は、葬式代程度の貯金がある独身の人やまだ子どもがいないご家庭には必要ないでしょう。
しかし、子どもがいて一家の大黒柱に何かあった場合、収入が減少またはゼロなってしまうご家庭は死亡保険が必要です。
また、死亡保険には定期型と終身型の2種類があります。定期型は一定期間保障してもらえて、終身型は死亡するまで一生涯保障してくれる保険になります。
一見、終身型のほうがお得感・安心感がありますが、その分保険料も割高になります。やむを得ない理由がない限り、終身型にする必要はないでしょう。定期型の場合、子どもが成人するまでの期間を目安に保証期間を設定するのがおすすめです。
また、子どもが成長するにつれて、必要になる資金も少なくなっていきます。そのため、子どもの成長に合わせて保険の見直しをおこない、掛け捨てタイプで契約するようにしましょう。
このように、確率は低くても、損害が大きい場合は死亡保険に加入したほうが安心です。
公的医療保険と民間医療保険を上手に活用していきましょう!
民間の医療保険に加入したほうがいい人もいれば、しなくても公的医療保険で十分な人もいます。まずは、自分の貯蓄額を確認し不十分な人は、最低限必要な民間医療保険に加入しながら貯蓄を始めましょう。
遺伝や何かしらの不安がある人は、その疾病に特化した医療保険へ加入するのもいいかもしれません。民間医療保険は、公的医療保険でカバーできない部分を保障するために活用しましょう。