2022年からの年金制度の改正でどう変わる?メリットや変更点、開始時期などわかりやすく解説!

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2022年からの年金制度の改正でどう変わる?メリットや変更点、開始時期などわかりやすく解説!

「年金制度が新しくなるって聞いたけど難しくてわからない」「私に関係あるのかな?」など、疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。

2022年4月から始まる年金制度改正で注目していただきたい方は「扶養内でパート・アルバイトをしている方」「60歳以上の方」「iDeCoに興味がある方」です。

今回の記事では、「年金制度改正4つの変更内容」や「年金制度改正のメリット」を解説します。この記事を読めば、新しい年金制度を理解でき、損することなく将来の年金受給をできるようになるでしょう。

目次

4つの年金制度改正について

新制度

2022年4月から年金制度が改正になります。主な目的は「多くの人ができるだけ長く働けるようにするため」です。

日常生活や老後の暮らしを豊かにするためにも、今回の年金制度の改正をうまく利用していきましょう。

では、4つの年金制度改正について解説していきます。

公的年金の受け取り年齢が75歳までに繰り下げ!

2022年4月から公的年金の受け取りが75歳まで繰り下げ受給可能になりました。2022年3月までの年金を受給できる年齢は「60歳〜70歳」でした。

また、繰り下げ・繰り上げ受給とは「65歳」を基準に考え、65歳より前に年金を受給すると「繰り上げ受給」、66歳以降に受給開始すると「繰り下げ受給」となります。

さらに、公的年金を繰り下げ受給すると受け取れる年金の額が「1ヵ月当たり0.7%」増額されます。繰り下げ受給できる年齢が5年伸びたことで最大の増額率が下記のように変わります。

  • 70歳まで繰り下げると「×142%」増額(2022年3月まで)
  • 75歳まで繰り下げると「×184%」増額(2022年4月から)

1度増額された年金額は一生継続されるので、元気でまだ働ける方は可能な限り繰り下げ受給をしたほうが1年間でもらえる年金額が多くなります。

一方、繰り上げ受給の減額率も改正になりました。2022年3月までは65歳より前に年金の受給を開始すると「0.5%」減額されていました。しかし、2022年4月からは減額率が「0.4%」に下がったため、以前より繰り上げ制度も利用しやすくなったでしょう。

会社員の60歳以降の年金受給ルールが見直し

2022年4月から60歳以降に働いている会社員の方の年金受給ルールが2つ見直しされました。

  1. 65歳以上で働いている+厚生年金保険料を納めている方の年金増額部分が66歳から反映に
  2. 60歳〜64歳で働きながら公的年金を受け取っている方の公的年金が支給停止される基準額が「47万円」に引き上げ

1. 65歳以上で働いている+厚生年金保険料を納めている方の年金増額部分が66歳から反映に


65歳以降も厚生年金保険料を払いながら会社で働き、合わせて年金も受け取っている方が対象です。

通常であれば厚生年金保険料を支払うと、支払った分もらえる厚生年金額は増えていきます。しかし、2022年3月までは70歳になったときの年金額からしか増額が反映されませんでした。そのため、65歳〜69歳まで働きながら厚生年金保険料を納めても5年間の年金額は変わりません。

しかし、2022年4月からは翌年の66歳から毎年反映するように改正されました。厚生年金保険料を納めた分、きちんと翌年に反映されるようになったので、働くモチベーションにつながる方も多くなるのではないでしょうか。

2. 60歳〜64歳で働きながら公的年金を受け取っている方の公的年金が支給停止される基準額が「47万円」に引き上げ

2022年4月からは60歳〜64歳までの公的年金の支給を停止する基準額(※1)が「47万円」まで引き上げになりました。

2022年3月までは60歳〜64歳までの会社員として仕事をしながら公的年金を受給している場合、公的年金の支給停止する額が「28万円」でした。月額28万円を超えると、公的年金の支給が停止してしまうので、たくさん働けない方もいらっしゃいました。

しかし、今回の年金制度改正で今まで以上に働ける方が増えるでしょう。

※1 基準額とは「公的年金の受給額と賃金(ボーナス含む)」を合わせた額のこと

iDeCoの加入年齢・受け取り年齢が拡大

iDeCo(イデコ)

個人で老後の資金を準備するために作られたiDeCoの「加入年齢と受け取り年齢」が拡大されました。

▼2022年5月〜iDeCoに加入できる年齢が「60歳未満」→「65歳未満」に拡大

出典:iDeCo公式サイト

▼2022年4月〜iDeCoを受け取れる年齢が「70歳まで」→「75歳まで」に拡大

出典:iDeCo公式サイト

さらに、会社員の方で今までiDeCoに加入できなかった方も2022年10月からは加入できるようになります。

個人で可能な限り老後の資金を準備して、豊かな老後生活を送りましょう。

2022年10月から厚生年金・健康保険の適用対象者が拡大

扶養内でパートをしている方や国民年金・国民保険を払いながらパートをしている方などが、厚生年金・健康保険に加入できるようにルールが変更になりました。

年金制度改正前年金制度改正後
週労働時間 20時間以上同じ
月額賃金8.8万円以上同じ
勤務期間1年以上の見込み2ヵ月超の見込み
適用除外学生同じ
企業規模従業員500人超 従業員100人超(2022年10月〜)従業員50人超(2024年10月〜)

上記の表のように、ハードルが下がり厚生年金や健康保険に加入したかった方や扶養を外れてパート時間を増やしたかった方なども加入しやすくなります。

年金制度改正のメリット

今回の年金制度改正のメリットを簡単にまとめて解説します。

  • 公的年金をもらえる年齢幅が広がった
  • 公的年金を65歳より前にもらっても減額率が下がり、公的年金が増えた
  • 65歳以上で働いている方の年金増額部分の反映が翌年の66歳からに!
  • 60歳〜64歳で公的年金をもらいながら働いている方がより働きやすくなった
  • iDeCoに加入できる年齢が拡大したことで、老後資金を準備できる人が増えた
  • iDeCoを受け取れる年齢幅が広がった
  • 厚生年金、健康保険の適用対象者が順次拡大することで、今まで社会保険に加入できなかった人もできるようになった

特に最後の厚生年金と健康保険に加入できる対象が拡大したのは、人によってはメリットが大きいでしょう。

例えば、扶養内でパートをしている女性が、妊娠し出産した場合、出産一時金はもらうことができます。しかし、出産手当金は対象者が社会保険に加入していないともらえません。

出産手当金とは産休期間中に給与の3分の2を支給してもらえる制度です。出産前後でも給与がもらえるのは生活的にも精神的にも助かりますよね。

また、厚生年金に加入することで、老齢厚生年金や障害厚生年金、遺族厚生年金のいずれかが上乗せされ、保障が充実します。国民年金の場合は、基礎年金しかもらえないので、上乗せされることで公的年金の受給額が増えるのはうれしい方も多いでしょう。

対象となる場合は要チェック!知っておいて損はない制度内容

豊かな暮らし、夫婦の後ろ姿

2022年4月から改正された年金制度について解説してきました。今回の改正は大きく分けて下記の4つです。

  • 公的年金の受け取り年齢が75歳まで繰り下げ・繰り上げ受給の減額率が引き下げ
  • 会社員で60歳以降も年金をもらいながら働いている方の年金受給のルールが変更
  • iDeCoの加入・受け取り年齢が拡大
  • 厚生年金・健康保険に加入できる対象者が拡大

少し難しい内容かもしれませんが、知っていて損はない制度内容です。制度を上手に利用して、豊かな暮らしを手に入れましょう。

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この記事を書いた人

アメリカの大学で経済・会計学を学ぶ。Associate degree(准学士号)を取得後、不動産事務やWeb広告営業など様々な業界を経験。

現在は、ファイナンシャルプランナーとしてWebライターの活動をしながら自身のブログやSNSで20代に向けた「お金の基礎知識」について発信をしている。

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