「年金問題が気になるけど何から手をつけたらいいかわからない」
「最近投資関連の話をよく聞くけどよくわからない」
と、お困りの方も少なくないでしょう。
近年では、高校で金融教育がスタートしたり、政府が投資を推奨したりと投資について考える機会が増えてきました。
そこで、今回の記事では投資の第一歩を踏み出せるように「資産形成」について解説していきます。この記事を読めば、資産形成の始め方が理解でき、投資に対する疑問がすっきり解決するでしょう。
資産形成とは?
資産形成とは将来のために現金・資金を準備することです。資産形成には「貯蓄」と「投資」の2つの方法があり、この2つを利用して資産を形成していきます。
「貯蓄」とは、すぐに動かせる現金のことで、銀行の預貯金が当てはまります。何かあったとき、利用できる現金を準備しておくことも資産形成の一つです。
一方、「投資」とは、将来のために資金を準備する手段です。例えば、教育資金や老後資金などが当てはまります。
投資は長期で運用して、ゆっくり資産を増やしていく長期運用の投資が資産形成には向いています。株式投資や投資信託、NISA制度を利用するとよいでしょう。
特に、NISA制度の「つみたてNISA」は資産形成におすすめです。証券会社によりますが、100円からつみたて投資ができるので初心者の方でも比較的はじめやすくなっています。
また、つみたてNISAは20年間非課税で運用できるので、どの投資方法がいいか迷われている方はつみたてNISAを検討されてみてください。
資産形成と資産運用の違い
資産形成と資産運用は言葉が似ていますが、下記のように意味が違います。
資産形成 | 将来への備え(0→1にするイメージ) |
資産運用 | 形成した資産を運用して増やしていく |
このように、資産形成は資産運用をはじめる一つ前の段階です。まずは資産形成で、十分な貯蓄とある程度の資産をつくりましょう。
そして、資産形成でつくった資金をすこしリスクのある投資先で運用していく方法が資産運用です。資産運用では、株式投資の売買や投資信託、不動産投資などがおすすめです。投資先によってはリスクがありますが、その分リターンも期待できます。
資産形成で預貯金を十分に貯めた方なら、生活防衛資金が貯まっている場合が多いでしょう。生活防衛資金は、1ヵ月に必要な生活費3〜6ヵ月分貯まっているのが理想的といわれています。
投資で損失を抱えても、生活防衛資金が準備されていると精神的な安定につながるので、生活防衛資金は必ず準備しましょう。
資産形成に必要な3ステップ
では、どのように資産形成を進めていけばいいのか3ステップで説明していきます。
資産形成ステップ1:目標を立てる
まずは目標の貯蓄額と資産額を決めましょう。例えば、「貯蓄を300万円・資産を1,000万円」のような目標です。
また、期限を決めて資産形成に取り組むとさらに目標がはっきりします。上記の例題に期間を加えると、「5年後」までに貯蓄を300万円・「20年後」までに資産1,000万円が目標になります。
このように期限を決めると、1年でどのくらい貯蓄する必要があり、毎月いくらずつ貯めていけばいいかがわかりやすくなります。
資産も20年後に目標の資産額まで増やすためにはどのように運用すればいいか考えやすくなるでしょう。
資産形成の貯蓄のコツ
貯蓄のコツは先取り貯金です。給与の余った額を貯金するのではなく、貯蓄額を差し引いた分で生活すると毎月安定して貯蓄ができます。
また、固定費を見直して毎月の出費を抑えましょう。格安SIMに乗り換えたり、安い電力会社に変更したりすると簡単に支出を減らすことが可能です。
転職で収入アップを狙うのも一つの手です。収入が上がっても、生活水準を変えなければその分貯蓄・投資にまわせます。
資産形成におすすめ:投資信託の長期設立投資
投資で資産形成をするときは、投資信託で長期設立投資がおすすめです。
投資信託とは、ファンドマネージャーという運用のプロが選んだ株や債券などが詰め合わされている金融商品です。そのため、投資に関して知識が少ない方でも比較的簡単に始められる投資方法なので初心者の方におすすめです。
つみたてNISAも長期設立投資なので、投資方法を決めていない方はつみたてNISAからはじめてみるといいでしょう。つみたてNISAで資産形成するときに、「資産運用シミュレーション」を活用すると非課税期間の20年間でどのくらい資産が増えるのか簡単に計算できます。
例えば、20年後までに資産を1,000万円にする目標の場合、「毎月3万円のつみたて投資で利率5%」で運用すると20年後には「約1,233万円」になる予想です。このように、目標を明確にして長期設立投資をするとやる気向上につながっていくでしょう。
資産形成ステップ2:資産を守る
資産形成をはじめるとさまざまな情報が気になりはじめますが、そのなかには嘘の情報も含まれている可能性が高いので気をつけましょう。
例えば、「利回り20%以上の金融商品を教えます!」や「簡単に投資で100万円の利益を出す方法」、「架空の投資先を紹介される」などです。このような情報を信じて投資しないために、何が正しいか見極められるようになることが大切です。
今は本やオンラインセミナーなど、自宅で簡単にお金の勉強を始められます。お金の知識をつけて、自分の資産を守りましょう。
資産形成ステップ3:資産運用に挑戦する
貯蓄がある程度貯まったら、資産形成から資産運用に切り替え、少しリスクのある投資に挑戦してみましょう。人によってはつみたてNISAの非課税期間が終わったあとに切り替えてもいいでしょう。
株式投資の売買や投資信託、不動産投資などが資産運用にはおすすめです。リスクは高くなりますが、その分リターンも大きくなります。資産形成のときに生活防衛資金を貯めているはずなので、安心して資産運用に取り組みましょう。
また、「72の法則」といって自分の資産がどのくらいの期間で2倍になるのか求められる方法があります。例えば、元本200万円を「利率5%」で運用した場合、どのくらいの期間で2倍になるのでしょうか。
上記の式に当てはめると「72÷5=14.4」となり、「約14年後」に200万円の元本が400万円になります。
注意点として、72の法則は複利運用した場合に限ります。複利運用とは、利益や分配金などを再投資にまわして運用することです。
資産形成のメリット・デメリット
資産形成のメリットとデメリットを紹介します。両方をきちんと理解したうえで資産形成をはじめていきましょう。
資産形成のメリット
- お金に働いてもらって資産を増やす
- 年金対策ができる
お金は銀行に預けていても金利が「0.001%」なので大きく増えません。一方で、資産形成は5%前後の利率で運用できる投資信託を選ぶと、資産が順調に増えていく可能性が高くなっています。
すぐに使える現金を用意しておくのも大切ですが、必要額以上銀行に預けておく必要はないでしょう。それよりも、積極的に資産形成・資産運用にまわして、お金に働いてもらいましょう。
資産形成のデメリット
- 元本割れするリスクがある
- 騙しとられる可能性がある
株式投資や投資信託などでは元本保証されている金融商品が多くありません。そのため、リスクを抱えますが、リターンも期待できるので、お金を眠らせているよりも働いてもらうほうが将来の資産が増える可能性が高いでしょう。
また、投資の世界では嘘の情報を教えてくる人もいるので、嘘を見抜ける力をつけておくことも大切です。初心者の方は、NISA制度を利用して投資に挑戦されると比較的安全です。
特に、つみたてNISAで取り扱っている金融商品は金融庁が認めた優良の投資信託のみなのでおすすめです。
資産形成に関するよくある質問
最後に、資産形成に関するよくある質問を紹介します。
Q. 短期運用と長期運用どちらがおすすめ?
運用する目的によって異なります。例えば、老後の資金のためなら「長期運用」がおすすめです。
投資信託の長期設立投資ではあれば、株価が下がっているときに多く買い、株価が上がっているときは少なく買って、購入金額を一定にできます。
これは、リスク分散の一つで「ドルコスト平均法」といいます。
Q. 複利運用と単利運用の違いは?
複利運用とは、利益や配当などを再投資して、雪だるま式に資産を増やしていく方法です。
一方、単利運用は利益や配当などを再投資せず、元本だけで運用していく方法です。
資産形成で人生を豊かにしよう!
資産形成は若いうちから始めたほうがおすすめです。なぜなら「運用期間×複利」が大きな利益を生み出す可能性が高いからです。
そのため、まず資産形成の目標を立てて、お金の勉強をし、資産運用に切り替えて資産を増やしていきましょう。
投資の利益には「20.315%」の税金がかかります。しかし、NISA制度を活用すればこの税金が非課税になるので、まずはNISA制度を利用した資産形成を始めてみるといいでしょう。