「投資をしているけど、自分の資産がいつ頃倍になるのかな?」「25年後までに資金を3倍にしたいんたけど、どうしたらいいのかわからない」と、お悩みの方もいらっしゃるでしょう。
資産運用では、自分の資産がどのくらいで2倍、3倍になるのか知っていたほうが目標を明確にできます。また、複利を利用すると資産運用を効率的に進められるでしょう。
この記事では、いつ資産が2倍、3倍になるのか簡単に求める方法や複利運用のメリット・デメリットを紹介します。資産運用の目標決めに困っている方は、ぜひ参考にしてください。
72・100・115の法則とは?
資産運用するときに、いつ自分の資金が2倍、3倍になるか知りたい方も少なくないでしょう。「72の法則」「100の法則」「115の法則」を利用すれば簡単に投資元本が増える期間を求められます。
この法則は、資産運用以外に消費者金融でお金を借りるときにも役に立つ計算方法です。自分の借金がどのくらいで2倍になってしまうのか事前に把握しておくことで、計画的にリボルビング払いやクレジットカードの分割払い、カードローンなどを利用できるようになります。
ぜひ、活用してみてくださいね。
72の法則:複利運用で2倍
72の法則とは、「複利」で運用した場合、何年後に元本が2倍になるか計算できる法則です。
72÷金利≒お金が2倍になる期間
例えば、「300万円を金利5%」で複利運用した場合、上記の式にあてはめると「72÷5=14.4」になります。元本の300万円が2倍の600万円になるには「約14年」かかることがわかります。
では、銀行にお金を預けた場合、何年後に2倍になるでしょうか。
現在の普通預金の金利は「0.001%」です。「72÷0.001=72,000」なので「72,000年」が必要になります。銀行に預けるのは必要最小限の現金のみにし、資産運用で元本を増やしていったほうが堅実的かもしれません。
100の法則:単利運用で2倍
100の法則は「単利」で運用した場合、何年後に2倍になるか求める方法です。72の法則は複利運用なので間違えないようにしましょう。
100÷金利≒お金が2倍になる期間
例えば、「300万円を金利5%」で単利運用した場合、「100÷5=20」となり600万円になるには「20年」かかります。
72の法則のときは約14年必要なのに対し、100の法則では20年になるので、短期間で元本を2倍にしたい場合は複利運用のほうがおすすめです。一方、単利運用は配当金や利益などを生活費にあてたい方に合っているでしょう。
また、カードローンの金利は単利で計算するところが多くなっています。そのため、カードローンを借りる前に自分の借入希望額がどのくらいで2倍になってしまうのか事前に把握して、計画的に利用するといいでしょう。
例えば、借入希望額が20万円で金利が18%の場合、「100÷18=5.5」なので「約5年後」には借金が2倍になります。このように、金利が高い分2倍になる期間も短いため、短期間で返済したほうがいいということがわかります。
115の法則:複利運用で3倍
115の法則は、複利運用した場合、何年後に資金が「3倍」になるのかを求める方法です。
115÷金利≒お金が3倍になる期間
例えば、「300万円を金利5%」で運用した場合、「115÷5=23」となるので資金が3倍になるのは「23年後」です。また、数年後に資金を3倍にするには金利何%で運用すればいいかも同じ計算式で求められます。
例えば、25年後に資金を3倍にしたい場合、金利何%で複利運用すればいいか求めます。上記の式にあてはめると、「115÷25(年)=4.6(%)」になります。「金利4.6%」で複利運用できれば、25年後には資金を3倍にできる計算です。
複利運用のメリット・デメリット
72の法則と115の法則では複利運用であることが大前提になります。さらに、複利運用のほうが単利運用と比べて資金が増える期間が短いのが特徴です。
メリットが多いイメージの複利運用ですが、デメリットも存在します。ここでは、複利運用のメリット・デメリットを説明していきます。
複利運用のメリット1:長期投資と相性がいい
複利運用は、投資で得た利益を再投資します。再投資することで資金が増え、雪だるま式にお金が増えていきます。
また、複利運用は長期投資と相性がいい投資方法です。雪だるま式に資金が増えるからといって短期間で決済してしまうとそこまでメリットを感じられないでしょう。
複利運用する場合は、長期投資を前提に余剰金で始めていきましょう。
複利運用のメリット2:さまざまな投資方法に利用できる
複利運用は、株式投資や投資信託、FXなどさまざまな投資方法に利用できます。利益を引き出さずに、再投資するだけなのでそこまで難しくないでしょう。
投資初心者の方は、投資信託と複利運用を組み合わせれば、簡単に資産運用ができます。特に、投資信託は利益を自動で再投資にまわす設定もできるので、ほったらかし運用も可能です。
複利運用のデメリット1:運用中は資金を使えない
上述したように、複利運用は利益を再投資していきます。そのため、運用中は資金や利益を利用できません。
もし、利益を引き出してしまうと「単利運用」になってしまい、資産を増やすのに余計時間がかかってしまいます。引き出すことは可能ですが、極力利用せず運用にまわすとメリットが大きいでしょう。
複利運用のデメリット2:マイナスになると複利運用が逆効果に
元本保証がない投資の場合、購入額よりマイナスになる可能性があります。その場合、複利効果がマイナスに働いてしまうため、メリットばかりではありません。
しかし、相場は上がったり、下がったりを繰り返しています。そのため、元本割れしたからといってすぐに売却せず、長期目線でコツコツ運用を続けていくと資金が増えるケースもあります。
このように、複利運用は利益が出ていればメリットが大きいですが、その状態がずっと続くわけではないので気をつけましょう。
複利と単利の差って何?
複利運用が単利運用よりも資金を増やす期間が短いと上述しましたが、実際どのくらい変わるのかわかりやすく表を利用して説明します。
金利 | 複利(72の法則を利用) | 単利(100の法則を利用) |
1% | 72年 | 100年 |
2% | 36年 | 50年 |
3% | 24年 | 33.3年 |
4% | 18年 | 25年 |
5% | 14.4年 | 20年 |
6% | 12年 | 16.6年 |
7% | 10.2年 | 14.2年 |
上記の表を見比べると、複利運用を利用する72の法則のほうが資産が2倍になるまでの期間が短くなっています。「金利1%のときは28年、金利2%では14年」も差があるので、効率がいい運用方法は複利運用のほうでしょう。
一方、金利が高くなれば2倍になる期間の差も短くなります。しかし、「金利が高い=リスクも高い」ケースが多いので、金利は高ければいいというものでもありません。
複利と単利はそれぞれ特徴が違うので、自分の目的に合った運用方法を選ぶといいでしょう。
投資目的や目標を立てて自分と相性のいい運用方法を見つけよう
ここまで「72の法則」「100の法則」「115の法則」について説明してきました。
複利運用は雪だるま式に資金が増えていき、長期投資と相性がいいです。できるだけ、引き出さなくていい余剰金で投資を始めると、自然に長期投資ができるでしょう。
また、利益や配当金を再投資にまわさず、生活費や他の目的に使いたい方は単利運用がおすすめです。しかし、複利運用と比べると資金が倍になる期間は長くなります。
このように、自分の投資目的や目標をはっきりさせて、資産を増やしていきましょう。